ページ数:237P
発売日:2018年01月
時は明治。浅草の人気芝居小屋「大北座」では男装の女優・
橋本玉緒の舞台が大当たり。
一方、裏浅草には生神を自称する祈祷師が現れる。
祈祷師の顔は、玉緒に瓜二つで…!?
「大北座」の摂取り息子・由之助と、“浄天眼”という
魔訶不思議な力をもつ戯作者・魚目亭燕石、その友人で
二人を引き合わせた相良警部補が、怪しくも美しい謎ときに挑む。
百花繚乱のレトロ浪漫ミステリー。
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謎解きレトロ浪漫ミステリー、シリーズ第2巻
「祈りの笹子(二)」
前作の続きです。
連続強盗殺人犯『辻の桐生』が大阪に潜伏していた。
辻の桐生は燕石や大北座の頭にも因縁があった。
それが小梅を外に出さない理由でもあったのだが
いつまでも隠れて暮らすわけにもいかないと
燕石を引っ張り出して、作戦を練るのだが
それは何とも大胆な作戦だった。
「手帛(ハンケチ)の青い花火」
燕石が自暴自棄になって売春宿で遊びまくっていた時の
娼婦の一人が、突然訪ねて来た。
年下の若い男と別れようと白いハンカチを渡したのだが
そのハンカチを返され、しかも青いシミが付いていた
その意味するところとは・・・
「魚の目と燕山の石」
燕石と顔を合わせない女中の千代。
燕柳館から一緒に別宅に来たはずなのに・・・
燕石は千代が自分を恐れていると思い、傷ついて
やけを起こして今に至るのだが・・・
千代の本当の思いとは・・・
「憂いの縁起猫」
由之助は幼馴染の貿易商からの相談事を燕石に相談した。
幼馴染の娘が続けて2匹の猫を拾って飼うことになったのだが
縁起のいい猫だったらしく、それを商売相手が欲しがったと。
あまりにも強引なやり方に、大芝居を打つことにしたのだが。
「鬼の愛」
燕石に頼まれて古書店に行った由之助は、年増女に
話しかけられた。
古書店の主人は、その女をよく言わなかったが、
義兄達も遠回しに忠告をしてくる。
その女を知っているかのようで・・・
「終話エピローグ」
古書店の主人が勧めてきた千代の縁談と、由之助の
進路のお話し。
本作も色々と面白かったです。
別れた恋人が残した謎の記号の話では
勿忘草の別名の話が面白かったぁ~
小梅といい、由之助といい、予想外の因縁話が浮上して
驚きましたよぉ~
良い人に育てられると、性格の良い子の育つのねぇ
そして、雄の三毛猫や鈎尻尾の黒猫が縁起のいい
猫だなんて知らなかったぁ~
そして、「鬼」とは何を指す言葉かってのが
一番驚きながらも納得した蘊蓄でした。
軽くて読みやすい日常の謎というかハプニング系
続編も出てるみたいなので、後で買いましょ♪