ページ数:253P
発売日:2016年06月
人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に
揺れ動いていることが実証された時代――
両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦(こよみ)は、
地元の進学校に入学した。
勉強一色の雰囲気と元からの不器用さで
友人を作れない暦だが、
突然クラスメイトの瀧川和音(かずね)に声をかけられる。
彼女は85番目の世界から移動してきており、そこでの暦と
和音は恋人同士だというのだが……
並行世界の自分は自分なのか?
『君を愛したひとりの僕へ』と同時刊行
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「君を愛したひとりの僕へ」の片割れ的な本だけど
僕が・・・を読み終わったら、また君を・・・を読めそう。
ループする小説と言ったらいいのかなぁ~
君を・・・を先に読んでいるなら、SF的解説が理解できてるので
すんなり読めると思います。
そして補完しあっているので、作中にちょっとだけ
リンクしてる部分があります。
こちらの世界の暦は、両親が離婚して母親と暮らしている。
地元の進学校に入学したものの、友達作りに失敗。
しかし、クラスメイトの瀧川に声をかけられた事をきっかけに
付き合うまでになり、やがて結婚を考えるまでになるのだが
そこで1つの問題にぶち当たる。
この世界では近い世界間の移動は頻繁に起こっていて
そんなに差はない。
遠い世界では、状況やら環境が結構違っている。
では、並行世界の自分と、今の自分は同じ自分なのか?
結婚する時は、今の自分と今の和音なのか?
自分は違う和音を愛する事ができるのか?
そういう問題を二人で少しずつ解決していく物語でもあり
また、突然起こった事件で二人の心は揺れ動く。
乗り越えたはずの、二人で決めたはずの考えだったのに
気付いたら、今の世界の自分たちを優先して考えていた。
幸せを築くとは、どういうことか。
何をどう考えるのか、二人で考えて行動している
この世界の二人がすごく好きです。
幸せって、こういうことよねぇって思える作品です。