ページ数:414P
発売日:2010年02月
9・11以降の、“テロとの戦い"は転機を迎えていた。
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、
後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に
常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追って
チェコへと向かう……
彼の目的とはいったいなにか?
大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官"とは?
ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。
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初めましての作家さん。
Mirokuさんに頂いた本です。
↑クリックレビュー
どうしましょ。
なんかスゴイものを読んでしまったって感じですよ。
しばらく感想すら書けなかった。
言葉にすると作品を汚してしまいそうだったし・・・
なんなんだこれは・・・
SFって、やはり苦手意識が強く働いてしまうので
普段は避けているんだけれど、頂いた本だからと
読んでみたら、頭の中に知らないうちに忍び込まれた様な
やられた感に打ちのめされてしまいました。
大量虐殺を引き起こしているとされるジョン・ポールを
暗殺するのが仕事のクラヴィス
彼がいたとされているところでは、必ず内紛が起こり
大量の人が死ぬ
だから彼の目撃情報を辿って潜入して暗殺を謀る
が、失敗が続いている。
潜入をする時に使用するポットとか、戦闘前後のケアとか
なんかリアル過ぎて怖かった。
戦争という巨大な流通においての戦闘という仕事
特殊部隊の感覚マスキング
痛みを感じるのを抑えながら痛いと知覚する・・・
殺すのは獣にでもできるが、戦うのは人間にしかできない。
本能ではなく、あくまで自由意志から、相手を無力化する
という行為・・・
無力化するってことは、殺すって事で、
進行の邪魔になるものはサクっと殺す。
子供でも殺す。
そこに良心の呵責を感じないようにケアされる。
まさに人間兵器の出来上がり
虐殺の文法を駆使して、後進国の戦争の火種を蒔く
それは知らないうちに育っていって、やがて火蓋が切られる
耳には蓋がないという一言で、確かに!と思ってしまった。
精神科医に操られるように、明るい未来を期待する。
人間は見たいものだけしか見えないようにできている
ジョン・ポールが火種を蒔くに至ったきっかけは・・・
クラヴィスが選んだこととは・・・
なんか、リアル過ぎて惚けてしまいました。
アニメ映画化してるということなので、探してみましょ。
気分を変えて・・・
作中に出てきたケビン・ベーコンゲーム
ある俳優がある俳優とある映画で共演し、その俳優は
別の俳優とある映画で共演し・・・こうやって繋げていくと
古今東西ほとんどの俳優は三人経由でケビン・ベーコンに
到達してしまうネットワークのことだそうだ。
知らなかったぁ~
っていうか、ここでケビン・ベーコンが出てくるとは
大好きな俳優の一人なんですよねо(ж>▽<)y ☆