ふたりの証拠/アゴタ・クリストフ | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

訳: 堀 茂樹

ページ数:302P
発売日:2001年11月

 

戦争は終わった。
過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は
国境を越えて向こうの国へ。
一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、
別れた兄弟のために手記を書き続ける。
厳しい新体制が支配する国で、彼がなにを求め、
どう生きたかを伝えるために―
強烈な印象を残した『悪童日記』の待望の続篇。
主人公と彼を取り巻く多彩な人物の物語を通して、
愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて
全世界の共感を呼んだ話題作。
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悪童日記の続編。
いつも一緒に行動していた二人が離れ離れになる。
悪童日記の最後で、それがショックでした。
今までは、「ぼくら」だったのが、国境を越えたクラウスと
残ったリュカと名前が出される。
本作はリュカ側のお話し・・・になる。

 

でも、読み始めてすぐに違和感があった。
それまで一緒に行動してきたはずなのに
誰もがクラウスの事に触れない。
では悪童日記は、リュカの妄想か?
いや・・・学校に行くのに、二人を離せないと
母親が先生にお願いしてたはず・・・
だとすれば、クラウスは幼くして亡くなった?
戦時中に片割れを亡くしたリュカが
精神の安定をはかるために想像の中で
クラウスを生かしたのだろうか?
悶々としながらも、リュカの物語を追う。

 

リュカは偶然出会った母ヤスミーヌと息子マティアスを
自宅に住ませる。
政治犯として処刑された夫を忘れられずにいるクララに
執着し、通い詰める。
党員のペテールが何かと世話を焼いてくれるが
彼は同性愛を知られることに恐怖していた。

 

ヤスミーヌは息子を置いて出ていくが、リュカは
マティアスを息子のように育てる。
その後、祖母の家を売り、鉛筆と帳面を買っていた
本屋を購入する。
本屋の主人は、姉と一緒に暮らすために姉の元に行く。
妻を殺され家を奪われた不眠症の男。
マティアスは、リュカが気にかけている
ブロンドの美しい子供に嫉妬する。

 

またも淡々と、何かに怯える人たちが
リュカの周りに集まってくる。
それぞれが懸命に生きているのに、幸せではない。
まるでリュカの心を反映してるように・・・

 

そして最後でまたも驚きが待っていました。
片割れは存在していた。
けれど・・・色んな疑問が一気にあふれ出します。

 

続きを読まなければ!
とにかく続きを読まなければ。
なんか、悲しい。
よくわからないけど悲しい。
だから知りたい。