鼻/曽根 圭介 | mokkoの現実逃避ブログ

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現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

ページ数:278P
発売日:2007年11月

 

人間たちは、テングとブタに二分されている。
鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。
外科医の「私」は、テングたちを救うべく、
違法とされるブタへの転換手術を決意する。
一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、二人の少女の
行方不明事件を捜査している。
そのさなか、因縁の男と再会することになるが…。
日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「鼻」他二編を収録。
大型新人の才気が迸る傑作短編集。
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Mirokuさんのレビューを読んで購入したものの
5年積んでました(; ̄ー ̄川 アセアセ

 

「暴落」

人が株価市場と同じシステムで判断される世界。
家族や友人、婚姻関係も仕事も居住地区も全てが本人の株価次第。
電車で席を譲ったり、困っている人に手を差し伸べたりという事を
自分の株を上げるためにやっているというのが
すごくわかりやすく描写されている。
一方、株価の低い者の末路なんて恐怖以外のなにものでもない。


有望株である語り手の回想という形で始まる話なのだが
彼がイン・タムさんと呼ばれるまでの由来も黒すぎるぅ~。
これをブラックユーモアというのか??
確かにホラーです。これは面白かったです。

 

「受難」

酔いから覚めたらビルの狭間で手錠につながれていた。
大声を出しても誰にも届かない絶望的な状況で、
一人の女が自分に気付いてくれるのだが、助けてくれない。
その後、彼に気付く者が2人はいるのに、助けてくれない。
希望を見出しては絶望に突き落とされるという理不尽な話。


「鼻」

人間がテングとブタに別れ、テングが差別される世界。
臭いにコンプレックスを持つ暴力刑事が少女行方不明事件を追い、
一方では、テングの妻子と別れた医師が、差別に抵抗する組織に
協力を求められる。
そして暴力刑事は、捜査の中で因縁の男と再会するのだが・・・

 

最初に読み終わった時は混乱した。(  ° ▽ ° ;) エッ?
考えてもよくわからなくて、もう一度読み返してしまった(^◇^;)
慣れている人は、すぐに気づいたのでしょうが、確かに騙された。
上手い!というのでしょうか?
でもなぁ~・・・個人的には好きじゃない。

 

日本ホラー小説大賞短編賞受賞というから、期待大だったが
後味の悪さは保証します。
差別ありきで、徹底した管理社会という設定が嫌いってことだな(^◇^;)

 

個人的に設定が嫌いってだけで、文章は読みやすいし
アイデアも面白いと思います。
だって、うあぁ~(´Д`|||) って思いながらサクサク読めました。
こういの好きな人にはたまらないかもぉ~