下鴨アンティーク アリスと紫式部/白川紺子 | mokkoの現実逃避ブログ

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下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)/白川 紺子
¥594 Amazon.co.jp
発行年月:2015年01月
サイズ:254P 15cm

京都、下鴨―。
高校生の鹿乃は、旧華族である野々宮家の娘だ。
両親を早くに亡くし、兄の良鷹と、准教授をしている
下宿人の慧と三人で、古びた洋館に住んでいる。
アンティーク着物を愛する鹿乃は、休日はたいてい、
祖母のおさがりの着物で過ごす。
そんなある日、「開けてはいけない」と言われていた蔵を
開けてしまう!
すると、次々に不思議なことが起こって…!?
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初めましての作家さん。
翠香さんがタイトルに騙されて手にした1冊。
確かに興味深いタイトルです(^◇^;)
しかもアンティーク着物を愛する主人公とくれば
騙されますよねぇ~
翠香さんもおっしゃってましたが、これはmokko向き(p^_^q)
着物の柄をめぐるアンティークミステリー。
レビューを読んで、即行購入しました。

舞台は京都。
年の離れた兄。人の好き嫌いが激しく、人付き合いも嫌いで
更にはぐーたら。
でも美形で骨董商で、時代の流れで廃れそうな家を救った。
そんな兄が10年ほど前の大学生の時に連れてきた友人の慧。
これがまた無愛想なんだけど、美形。
祖母が気に入って下宿させて以来、住み込んでいる。
更に近所には、これまた涼やかな顔立ちの大学生が住んでいる。
自宅で薔薇を育ててるって・・・
(○ ̄m ̄)翠香さん。確かにアンソニーか!って感じ(^◇^;)
でも、男二人は胡散臭いニオイを感じてるらしい。

3人が住まう野々宮家は旧華族。子爵で公家華族で
母屋は古い洋館で、蔵もある。
大正時代にイギリス人建築士の設計で建てられた。
あぁ~京介が見たがりそうだなぁ~(by建築探偵

この設定だけでも楽しいでしょ(^◇^;)
そこに祖母が蔵にしまいこんでいた着物を出したことで
不思議な現象が起きる。
祖母が解決したであろう現象を鹿乃は抑えられるのか?
3つの短編集です。

「アリスと紫式部」
祖母から蔵を開けてはいけないと言われていたが
せっかくの着物が傷んでしまうからと蔵の着物を
虫干しした鹿乃だったが、突然聞こえてきた喧騒に驚いて
見に行くと、着物に描かれていた柄が変わっていた。
二台描かれていた御所車の一台が壊れていた。
おばあちゃんが解決したはずの怪現象。
鹿乃は着物の柄を元に戻せるのか・・・?

どうやら源氏物語「葵上」の車争いの場面らしい。
御所車・・・いいですねぇ~
オカンが古典柄が好きってのもあって、
mokkoも持ってましたよぉ~
解決方法は、なるほどぉ~と思いましたよぉ~
源氏物語の世界をちょっとだけ楽しめました。

「牡丹と薔薇のソネット」
女性のすすり泣きが漏れ聞こえる。
声は長襦袢に描かれた幽霊画「牡丹灯籠」から聞こえる。
一時期、流行ったらしい柄らしいのだが
衿の中には数字が書かれた紙が何枚も縫い込まれていて・・・

無知なもので全然知らなかったんですけど
シェークスピアって、本当に色んなもの書いてたのねぇ
ここでアンソニー擬きが登場するんですが
男二人は鹿乃を心配してバリバリに警戒します(○ ̄m ̄)
鹿乃と慧の仲も、少しずつ変化してきます。
そうこなくっちゃヾ( 〃∇〃)ツ ウキャッ

「星月夜」
兄の良鷹から祖母の伝言を聞かされた鹿乃。
祖母の日記から、蔵の中にひとつだけある
祖母の着物を見つけ出すこと。出来なければ蔵の着物は
焼いて処分せよと・・・
鹿乃は探し出すことができるのか?

お祖母ちゃんとお祖父ちゃんの若かりし頃のエピソード。
なんかねぇ~すごぉ~くキュンキュンしました。
ウルっとするくらいキュンキュンしました。
着物の柄に想いをのせるってのが粋ですねぇ~
センスの良さが窺えます。
それをちゃんと理解できてるお祖父ちゃんもステキ(*´◇`*)
この話が一番好きです♪

これって、続き出ないのかなぁ~
着物の柄だと難しいかなぁ~
軽くて読みやすくて楽しかったです(p^_^q)