
発行年月:2013年04月
サ イ ズ:295P 16cm
十二人の姉が居る以外は、ごく平凡な中流貴族の宗孝。
御所に鬼が出たという噂を聞き、仲間たちと度胸試しで
確かめに行くが、そこに居たのは怪異を愛する
変人と名高い名門貴族・宣能だった。
なぜか彼に気に入られてしまった宗孝は、彼と共に
鬼の正体を追うことに。
結局、人の仕業とわかって落胆する宣能だったが、
その後も続く怪異の裏には、とある陰謀が隠れていて…。
新感覚、平安冒険譚。
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初めましての作家さん。
確か、誰かのレビューを読んで面白そうだと思って
チェックしてたんだけど、誰だったのか忘れました。
mirokuさんだと思ったんだけどなぁ~(^◇^;)
平安貴族が主人公のお話なんだけど
夢枕獏さんの陰陽師シリーズのように、妖しくて
シットリした雰囲気で、安倍晴明と源博雅のコンビが
これまた好みだったんですけど、本作も別の意味でいい。
中流貴族の宗孝目線で物語は進みます。
異母姉が12人もいる末っ子の宗孝。
お姉さま方には可愛がられているようで
それは宗孝の性格の良さから来ているのかと・・・
怖がりで、何事にも目立たず無難にやり過ごしたい性格。
それがどういう訳か上流貴族の御曹司:宣能に気に入られた。
この宣能、近衛府中将という宮中でも花形の職務にあって
更には繊細で中性的な容貌に加え、スラリと背も高い。
しかし、何故か「ばけもの好き」
怪異を聞きつければ、なんやかんやと理由をつけて
逃げようとする宗孝を結局は引っ張りまわしてしまう。
怖がりだけれど、へたれではない。
やる時はやる人です(^◇^;)
連作短編集になるのかな?
色んな怪異に首を突っ込みながら、ガッカリしたり
(´▽`) ホッとしたり、けれど一連の怪異の裏には
陰謀が隠されていて・・・
いやぁ~楽しかったです。
宗孝と宣能のコンビも好感度高め。
平安貴族だから、衣装やら装飾品やら仕草やら
とにかく雅なんですよぉ~
宣能の妹も出てくるんだけど、これまた可愛らしくて
特殊な才能を持っていたりする。
そして宗孝の姉達も、全員は出てきてはいないけれど
個性的な面々で、先が楽しみです。
安心して読める平安貴族のなんちゃってホラー
ほのぼの日常連作短編って感じですかね?(^◇^;)
そういえば、最近読んだ本の中に
何故か在原業平が連続で出てきた。
本作は、まぁ~時代的にもありそうだけど
「思い出のとき修理します」と「封印再度」にも出てきた。
今度は伊勢物語でも読めってか?(^◇^;)