
発行年月:2009年10月
サ イ ズ:221P 15cm
町会館の清掃中に本棚で見つけた『今昔奇怪録』という2冊の本。
地域の怪異を集めた本のようだが、暇を持て余した私は
何気なくそれを手に取り読んでしまう。
その帰り、妙につるんとした、顔の殆どが黒目になっている
奇怪な子供に遭遇する。
そして気がつくと、記憶の一部が抜け落ちているのだった―。
第16回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作を含む5編を収録。
新たな怪談の名手が紡ぎだす、珠玉の怪異短編集。
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初めましての作家さん
mirokuさんのレビューを読んで即購入。
3年積んで、ようやく読みました(○ ̄m ̄)
とにかく現実逃避したくてね(^◇^;)
現実っぽくないものを読みたかったんだよね
「今昔奇怪録」表題作
小さな田舎町に暮らして3年目の夫婦。
町民館にある今昔奇怪録を何気なく読んだら、
不思議な事が起こり始め・・・
「疱瘡婆(ほうそうばばあ)」
疱瘡で娘を立て続けに3人も失った摂津屋の主人。
更に娘の墓が荒らされた。町では疱瘡婆の仕業だと
噂をするのだが・・・
「釋迦狂い」
圧倒的な強さで人気だった力士が、熱狂的ファンに殺され
その死を真似たアトラクションに参加した男は・・・
「きも」
研究室の培養器の中に見慣れないシャーレーが入っていた。
名前を記入されていたのだが、どうやら肝細胞らしい。
その後、シャーレーを捨てた研究員が死んで・・・
「狂覚(ポンドゥス・アニマエ)」
被験者、観察者、干渉者、統括者の4人で実験が行われている。
その実験とは・・・?
表題作は、ジワジワと侵食されていくような感じが
ホラーならではという感じでゾゾーとするのがいい。
怖いというか不気味。
あまりにリアルだったので、現実逃避というよりは
ありそうな話で現実逃避できなかった(^◇^;)
疱瘡婆は、時代小説風で、なんとも哀しいお話。
釈迦狂いも、出口のない恐怖ってのがツボだったというか
こういうのが一番怖い(^◇^;)
「きも」も、そのままじゃないかぁ~とか思いながらも
その後が気になって気になって・・・
最後の狂覚が、どうにもこうにも意味不明。
自分の理解力の無さに凹みました。
現実逃避するはずだったのに、出来なかったぁ~
最後の話は理解できなかったとして、他の作品達は
面白いというか、上手いですねぇ
妙に嵌ってしまったので、現実逃避には向かなかった
やはりホラーは、元気な時に読まないとダメね
(; ̄ー ̄川 アセアセ