
ジャン・コクトーが生涯に唯一つ作った童話
20世紀の巨人コクトーが幼年時代に思いをはせながら
ユーモラスな絵と言葉でつづるファンタジー。
太陽氏、月夫人、子供たち、犬の家庭教師による
奇想天外な物語
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まだ本をハードカバーで読んでいた頃
まだ本屋さんで、本を探すのが好きだった頃に購入し、
未だに本棚の中に居座り続けている本です。
先に絵に魅せられて、著者の名前を見てビックリ仰天!
コクトーが絵本ですか??
このインパクトはデカイでしょ(^◇^;)
絵本というからには絵と文章が入ってるんだけど
真ん中に絵とフランス語の文章があって
たぶん、これが原形なんだと思うんだけど
その外側(ページの外側)に日本語訳が載っている。

だから本も横長になってます。
原文をそのまま使って、雰囲気を壊してない
なんて楽しい絵本なんでしょう♪
内容としては太陽と月が結婚する話。
それは幸せで楽しい日々だったのですが
子供が生まれても、自分たちの楽しみに夢中になり
気が付いたら、子供達はとてもヤンチャになっていて
困った両親は家庭教師を雇います。
やってきたのは犬のトム。
そして・・・
最初の方に『幼い読者諸君へ』という前書きがあります。
君たちはいずれ大人になる。奇妙なことだ。
・・・中略
もし君たちのお父さん、お母さんが不幸にして
本当の大人になってしまったのならば、二人を教育し、
本を読むことを教えてあげよう。
それともう一つ。
もしこの本の色が気に入らないならば、
君の色鉛筆で好きなように塗りたまえ。
遠慮はいらない。
これは「子供の皆様」に向けられた前書きではないでしょう。
本当の子供が読んでも、意味はわからないかと・・・
子供に分類されている大人未満の人たちへの絵本だと思う。
もしくは・・・
これからお父さん、お母さんになる人へ
お父さん、お母さんをやってるつもりに
なっている人へのプレゼントだと思ったりする。
なんて皮肉たっぷりで
愛情いっぱいの絵本なんでしょ♪
これは宝物ですね(p^_^q)