月への梯子/樋口有介 | mokkoの現実逃避ブログ

mokkoの現実逃避ブログ

現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

月への梯子 (文春文庫)/樋口 有介
¥620 Amazon.co.jp

知能は小学生程度だが、死んだ母親が遺してくれた小さなアパート
「幸福荘」の管理人として、平和に暮らしていたボクさんこと
福田幸男、四十歳。
ところがある日、アパートで殺人事件が起きたことをきっかけに、
ボクさんとその周辺に、驚くべき変化が起こりはじめる…。
哀切に満ちた長篇ミステリー。
--------------------------
mokkoの現実逃避ブログ-1027bana ←参加しています

初めての作家さんです。
テーマ読みをすると、初めての作家さんが増えて嬉しいわ♪
ミステリー色は薄いです。

福田幸男、四十歳。知能は小学生中学年程度だが
死んだ母の残してくれたアパートの管理人として
修理やペンキ塗りは、時間が掛かってもやり遂げる。
色んな事を忘れないように忘備録の手帳を持ち歩き
亡き母のいいつけをちゃんと守って暮らしている。

中学からの同級生で、近所で惣菜屋をやっている
京子ちゃんとおばさんは福田さんをサッちゃんと呼ぶ。
でもアパートの住人や周囲の人は、福田さんが自分のことを
「僕」と言うので、ボクさんと呼ぶ。

「僕がみんなに親切にして、僕がいい人になれば
 まわりの人もみんないい人になるよ」

ボクさんは親切な人に囲まれて運がいいと思っていた。

あぁ~(〃▽〃)ポッ♪何て純粋で暖かい人なのぉ~
まるで先日読み終わった本のウサギ型月面探査ロボットの
シーマスのようではないのぉ~v(〃>∇<〃)v
アパート周辺が知ってる場所だってこともあり
想像しやすかったのと、ボクさんのいい人っぷりに
こっちの気持も暖かくなる。

ところがある日、アパートの外壁のペンキ塗りをしている時
2Fの住人の部屋の中がカーテンの隙間から見えた。
血まみれで死んでいる住人の姿を見たボクさんは
気を失い、梯子から落ちてしまった。

ボクさんは頭を強打していて、4日目に病院で目覚めた。
頭がズキズキ痛む中、刑事さんの話で、アパートの住人が
殺されて、部屋は密室だったこと、そして、どういう訳か
残りの住人5人が行方不明になっているという。

何よりボクさんを戸惑わせたのは、今までより急に
視界が明るくなった事と、詰まっていた下水が
突然スポッと流れ出したようにバカが治った事だ。
中学生の時と変わらないと思っていた京子ちゃんは
年相応の肌のシミと皺が目立ち、自分を取り巻くものが
善意だけではなかったことを知る。

ボクさんは周囲を驚かせないように、必要に応じて
バカを演じたり、「俺」に戻ったりを使い分け
行方不明の住人の何人かとコンタクトを取る事に成功。
「試練なんか好きじゃないけど、せっかくの試練を
無駄にしたら、試練に対して失礼になる」
バカが治っても、ボクさんがいい人であったことに
もの凄く安心した。

殺人事件は、ちゃんと解決する。
にも関わらす、まだ残りが数十ページある。
「24人のなんとか・・・」ってセリフが文中に出てきたので
真っ先に「アルジャーノンに花束を」を連想した。
嫌な予感がしたけど、違った。
幸福荘にも幸福が戻ってきた。

でも・・・この結末だけは嫌だぁ~
何でこんな結末を用意したのよぉ~
。゚(゚´Д`゚)゚。うぇぇん

最後の3~4行でファンタジーになって
ちょっとは救われたけど、それでも嫌だぁ~
。゚(゚´Д`゚)゚。うぇぇん


月特集の月判定 最初は三日月だと思ったけど
最後の3行で変わった。

新月  :タイトルのみで月の登場はほとんどなし
三日月:作品の内容には特に関係ないが、月に関する描写がある
半月  :月が作品の内容に関わるキーワードになっている
満月  :月がテーマの作品である

mokkoの現実逃避ブログ-bana-moon