二の悲劇 (ノン・ポシェット)/法月 綸太郎
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<都内のマンションでOL殺される>
顔を焼かれて酷いこの事件は
当初、単純な怨恨殺人と見られた。
三角関係にあったルームメイトの女が
逃亡していたのだ。
だが、被害者が胃に呑み込んでいた鍵は
一体何なのか・・・
探偵法月綸太郎が出馬した矢先、
容疑者は京都で死体となって発見、
そして鍵の正体が明らかになるにつれ
名探偵を翻弄する迷宮の扉が開いた・・・!
(裏表紙より)
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これも「新本格もどき」を読むための準備です。
長篇では初めての作家さんです。
アンソロジーの「ABC殺人事件」と「大密室」で
読んでいるはずなんだけど、全く記憶にない(^◇^;)
(この2冊で発見したのが有栖川有栖氏と乙一氏)
しかも法月綸太郎という名前がね
小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」に出てくる
刑事弁護士・法水麟太郎を連想させるのよ。
嫌な予感がしてね・・・読み出してみたらね
予感的中(||||▽ ̄)
最初の部分からしてクドイ!
詩的で抽象的な表現でクドクドクドクド・・・
探偵役も、著者と同じ名前なもんでね・・・
これは絶対に法水麟太郎の名前を貰ったんだと思って
念のため調べてみた。
ペンネームの由来は、小栗虫太郎のペダンティックな名探偵
法水麟太郎ではなく、吉川英治の小説『鳴門秘帖』に登場する
隠密「法月弦之丞」から。
大学時代は「法月林太郎」というペンネームを使用していたが、
島田荘司のアドバイスにより現在のものになった。by wiki
違うんだ・・・(-。-;)
っていうか、こういう事が書かれるってことは
同じことを思ってる人がたくさんいるってことよね・・・
本当に似てるだってば・・・(ノ_-;)ハア…
普通に読んでたら、全然ページが進まない。
よって、今回も黒死館殺人事件と同じく
抽象的で詩的な部分や、妄想してるクドイ部分は
すっ飛ばして読みました。
場所は京都。鬱々として歩道を歩いていた「きみ」を
反対側の歩道から大声で呼んだ彼女。
記憶を遡って、葛見百合子と言い当てた「きみ」
高校時代の同級生との6年ぶりの再会だった。
東京でOL清原奈津美が顔を焼かれて殺された。
発見者は同居人である葛見百合子の恋人だった。
葛見百合子が姿を消したことから、警察は
葛見を容疑者として行方を追うことに・・・
法月警視の要請を受けて、息子で小説家の
探偵:法月綸太郎が出動。
OLの二人は高校時代の同級生であり親友。
同じ化粧品会社に勤務し、編集の仕事をしていた。
噂では葛見百合子の恋人が清原奈津美に
乗り換えようとしていたらしい。
検死の結果、彼女は小さな鍵を飲み込んでいた。
これは単なる怨恨なのか?
住んでいたマンションを捜索したところ
目的の日記は見当たらない。
しかし、卒業アルバムの写真と名前が
手配書の写真と名前と違っていた。
二人は名前を交換していた?
では、殺されたのは葛見百合子?
そして同じ頃「きみ」のところに電話が入る。
葛見百合子だという電話の主は、「きみ」がつきあっていた
彼女とはまるで違った印象で、とにかく会いたいという。
新聞では、殺人の容疑者として名前があがっている女・・・
「きみ」は混乱する。
次の日、葛見百合子が死体で発見される。
覚悟の自殺?
同じ頃、清原奈津美が担当する作家が
暴漢に襲われ重症を負う。
犯人は?真相は?
清原奈津美が飲み込んでいた鍵は
女性であれば、すぐに想像がつく。
そこに辿り着くまでもまどろっこしい。
っていうか、その答えを教えてくれたのも
法月の友人の女性だったりする(^◇^;)
目的の日記のコピーを手に入れた結果
名前のカラクリがわかった。
そして葛見百合子と清原奈津美は高校時代
同じ男子生徒・二宮良明に恋をしていた。
思いがけず再会した彼に対する思いと
嘘を後悔する日記
そこに綴られた内容のイラっとすること!
こういうのを一般的には「切ない」というのだろうか?
そこで最初の清原奈津美殺人の経緯が見えた。
そして、葛見百合子の死の原因と
作家を襲った犯人も、わかった。
日記の原物を持っているのも犯人だろう。
しかし、そこで待ち構えていた事実に
工エエエエェェェェェ ヽ(゚Д゚;)ノ゛ェェェェエエエエ工
チョット待て!そうなると辻褄が合わなくなる。
法月同様に、こっちも混乱する。
しかし、その時点である程度の仮説は出来る。
そこに救いの手を差し伸べたのが法月の女友達。
4Pにも亘るダラダラとした推理を
2行に要約して、別の答えを引っ張り出す。
(  ̄ ̄∇ ̄ ̄; )ナヌ?
そっち??(゚O゚;
うわぁ~それでは後味悪すぎだろ~
っていうか、安っぽくならないか?
そして再び・・・
工エエエエェェェェェ ヽ(゚Д゚;)ノ゛ェェェェエエエエ工
そうきたかぁ~
なんかこの結末って、最近読んだような・・・(-。-;)
これって、「二」の悲劇なのか?
あぁ~そういう取り方もあるかぁ~
エラリー・クイーンって読んだ事ないから
よくわからないのよねぇ~
っていうか、すっ飛ばして読んだのが
裏目に出た(-。-;)
最初の方に書いてあるではないか・・・
「きみ」という2人称表現に惑わされた。
最初から踊らされていたというか
迷探偵・法月の妄想と共に踊らされていた訳だ・・・
ちっ・・・(`ヘ´)
各章のタイトルと一緒にユーミンの「卒業写真」の歌詞が
1フレーズずつ書かれているのは良いスパイスになってると思う。
でも、この物語に一種の執着というか呪縛のようなものを
感じるのは思い過ごしだろうか・・・
切ない青春小説的な感じを受けるんだろうけど
自分とは対極の事が書かれてるからイラっとする。
救いのない悲劇だなぁ~
著者曰く、この小説は病人が書いたものだそうだ。
なんとなく、そんな気がする(^◇^;)
やみくもに死にたくなったら
坂口安吾の本を読むといいらしい。
とりわけ「不良少年とキリスト」
これを読むと死にたいという気がとたんに失せるそうだ。
そうなったことがないので理解できないが
そうなったことがある人には参考になるのかな?
「ABC」殺人事件 (講談社文庫)/有栖川 有栖

大密室/有栖川 有栖

教祖の文学・不良少年とキリスト (講談社文芸文庫)/坂口 安吾
