地震のあった日のこと | モカルカフェ

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【Carbuncle】 磨き丸く仕上げられたザクロ石のこと。元々ラテン語で「燃える石炭」や「小さな石炭」の意味で、転じて赤い宝石の総称となった。

地震のあったとき。


ブラザーズと私は幼稚園のお友達の家にいた。

幼稚園は午後保育で、お迎えしたまま遊びに行って、珈琲を入れてもらおうかという時だった。


初めは、

『お、地震!ちょっと激しい揺れだな?』 くらいに思っていたのに段々強くなってきて。


窓の外を見ると電線が風にたなびいて・・・?

・・・電柱の方が揺れてるんだ!これは大きい!!


途端に、降下距離の長いジェットコースターの後半戦の時みたいな間隔に襲われる。

『え?まだ治まらないの??これ以上はヤバくない!?』 みたいなね。


未体験な感覚に直面すると人間の心理は少々ブレる。

そして女子ってヤツは基本的にそのブレを外に出す事で自己を落ち着かせようとする習性があるらしい。


ひとつひとつ口に出して。

ひとつひとつ否定して、肯定して、不安を消して。


地震が落ち着いた時にはアニの魂はすっかり抜けていた。

口が開いたまま空を見つめポケーッとしながらも、ギュッと握り締めた手は私の背中を離さない。

床に下ろすわけではなく少し脚を組みかえるだけで、『抱っこ。』 と言って元よりずり上がって来る。


オトウトは余震の度に駆け寄ってきて一々大声で泣くし、

声色にもすっかり敏感になってお友達が喜んだ声も叫び声と勘違いして顔色が変わる。

不安になると居ても居られず走り寄って来て、また泣く。


お友達が遊びに夢中になり始めた後も2人はずっと私にくっついていた。

『ブラザーズは本当にナイーブだね。』 とほんのり笑われる。


男の子


地震の直後からダーに電話をしたけれど、もうつながらなかった。

すぐに送ったメールは画面上では送れたけれどいつ届いたんだろう?

(その後は一時、メールを送ることすら出来なかった。)


固定電話からの電話がやっぱり一番早くて、

後は夫婦でDOCOMO同士の携帯電話も割と早く連絡がついていた。


SOFTBANKは・・・?

結局、あの日はダーと携帯間のやり取りは出来なかった。

急いで帰ってきたダーが、家の固定電話から私の携帯に連絡をくれて無事を知った感じ。


白戸次郎


お友達のウチはずっと停電していて、(その後聞いたら24時近くまで停電していたらしい。)

ウチはオール電化だからお湯も沸かせないな、どうしようか・・・と、不安になっていたけれど、

我が家の地域は停電していなかったようで帰ったら金魚のポンプも動いていた。


キッチンに、ガラス製の麦茶ポットを洗って逆さまに立ててあったのだけどそれも無事。

内の中では比較的軽い、脱衣場の木製シェルフも無事。


神棚の御札が少し位置がずれていて、

2Fののはめ込み棚に飾ってあった写真立てが落ちてカバーに日々が入った...くらい?


あぁ、あと、クロゼットの、

補助レール?付きの引き出しが等間隔で開いていたのはアートだった。


なまず


お風呂の用意をして、沸くまで...とつけたTVには驚愕の映像が。

!!


アニがまたまた言葉を失い始めていたので早々に切り上げてお風呂の時間にしたけれど、

暖かいお風呂に入っている事が何だか悪い事のような気がしてしまった。


そのお風呂上りに、アニが吐いた。


あまりの出来事に脳の回線がショートしたのか、ただ上せただけか、ウイルス性腸炎か、原因は不明。

口をゆすいで、パジャマに着替え、夕飯も食べず寝室に行くという。


お気に入りの本を読んであげている間はリラックスした表情をしたけれど、

本を閉じた瞬間に文字通り白目を向いて、3秒で寝た...もはや自らで気絶したという感じだった。


寝る





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ブラザーズが寝静まってからダーと夕ご飯。

何かを作る時間がもったいない気がして、市販のピザにチョイ足しして焼いた。


食べながら、お互いの”今日”を話し合って、

一段落してTVをつけたら被害はさっきよりひどくなっていた。


胸が痛む。

頭が回りすぎて回らない。




--- でも、このときはまだ、ここまでのことになるとは思っていなかったんだ。


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