防衛大学に、医科大学があるのを知っている人はどれほどいらっしゃるでしょうか。
私は全く知りませんでしたが、夫は
「パパは他のとこより歳とってる。もし万が一パパが先に死んでしまっても、防衛医科大学に入れば、高い学費を払わず、むしろ給料をもらいながら勉強して医者になるという道がある。」
と聞いて、その存在を知りました。
私自身は息子たちに医者になって欲しいとか、今の段階で全く考えていません。息子たちが生き生きと、生きがいを感じられる世界に羽ばたいてくれることは祈っているけど・・。
が、長男の二学期の個人面談のとき、担任の先生に「ん⁉️」と思うようなことを言われて、そこからずっと引っかかっていたんですよね・・。
長男の通う学校の一番成績のいい子たちを集めているクラスには、
「〇〇医進コース」という名前がついています。
つまりその大学の医学部に入れる指導をするというのを看板にしてるわけです。
長男は、中学受験でそこを目指していたわけですが、そのクラスには入れませんでした。
でも、学年が変わるとき、この一年の成績や校外模試などの結果、上がれることもあるとのことだったので、聞いてみたんですね。このとき、担任の先生が
「息子さん、今は卒業したあとは自衛隊に入りたいっていってるんですよね。ご存知ですか?それなら、わざわざきつい思いしてあのクラスに入らなくても・・」
と言われ、はぁ〜⁉️となりました。
黙っていると、さらに
「いいんですか?あんな理不尽な世界に行くのは・・」
「理不尽?」
「どんな理不尽な命令されても、『ハイ‼️』っていうしかないようなとこに行きたいって・・」
先生・・先生こそ、そんな漠然としたことしか言えない進路意識で大丈夫ですか?仮にも今後進路指導とかするならもう少しきちんと勉強なさったほうがいいのでは?
学力的にいかにも簡単に入れそうに思ってるみたいやけど、本当のところ偏差値でどれくらいなものなのかわかって話してるのかな。
全国の自衛官のみなさんが聞いたらどう思うか。
私だって自衛隊のこととか、そんな詳しいわけではもちろんないけど、自衛官の方たちが、使命感や目標をもって日々厳しい訓練されてることは想像できますよ。
東日本大震災とか、いろんな災害のとき、派遣された方々を報道で目にしますからね。
命に関わるから、訓練は厳しいし、命令は絶対。
なにをもって理不尽な命令というのかな。
ただ。反論できるほど私もたくさんの材料を持ってるわけではなかったので、心の中にたくさん言葉は渦巻いたけど黙っていました。
なので、最近『こういう漫画でてるよ!』とパパに聞いて、読んでみることに。
防衛医科大学の学生は、自衛官としての訓練をいっしょにしながら、医学の勉強もする。卒業後、自衛官とともに派遣され、自衛官の医官となるために。
大学は6年間ですが、最低3年は医官としての勤務を果たさなければならないそうです。
災害派遣に一緒についていくこともあるでしょう。当然命の危険もあるかもしれません。
現在四巻まで出ており、じっくり読みましたが、防衛医科大で医官になる人に給料が出るのは当たり前だなと思いました。
生半可な気持ちで医者を目指すことはできないと思いますが、医官になるのは、さらに厳しい道のり。
普通の医者になりたいだけなら、いくら給料が出るといっても、この大学に入って続かないだろうなとこれを読んで思いました。
医学の勉強や試験だけでなく、肉体的な訓練もするのですから。
でも強い使命感や意志や目標がある人なら、頼れる先輩がいて、日々一緒に高め合える仲間がいて・・そんな中で医者を目指せることはこの上ない環境だろうな、とも。
警察官もそうですが、すごく厳しい訓練を受けているからこそ、精神的肉体的にきついときでも人に優しくできる。
医者も、頭がいいから、成績がいいからだけで目指してはいけない仕事ですよね。
失敗したら患者さんの死に直結してしまうんだから。
物語の中には医官を目指す若者が数名出てきますが、主人公の賢人くんが、最初は医者になるためだけに入学し、先輩にも時には言葉ではむかってみたり、友達も必要ないともめてみたりしながら次第に成長していく物語になっています。
学習内容も細かくでてきます。
人の骨をならべる学習とか、解剖とか。
このとき解剖されるご遺体は献体というそうです。
四巻では二年生になり、生意気な後輩の指導に手を焼く場面も。
読みながら賢人くんと一緒に私ももう一度勉強してる気分です。
是非多くの方に読んでもらいたい漫画です。