アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国
建造物自体が、歴史やアートな雰囲気を持っていて好きな美術館がいくつかあります。
「東京ステーションギャラリー」も、その一つ。
東京駅の煉瓦壁を生かした展示室とか
旧ギャラリーのシャンデリアが吊り下げられた八角形の廻り階段で2階へ降りるところとか。。
その、好きな空間で
私の好きな、アドルフ・ヴェルフリ[Adolf Wölfli]の、日本における初めての大規模な個展なんて・・!
本当にステーションギャラリーさん、イイ感じです〜
本国スイスでは、ル・コルビュジエらに並んで特急列車にその名を冠するほど有名なヴェルフリですが、日本ではあまり知られていません。アール・ブリュット/アウトサイダー・アートの企画展等で展示されたことはありましたが
本展ではヴェルフリばかり74点、しかもその多くが日本初公開とのことで、至福の鑑賞時間を過ごしました!
『アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国』
会期:2017年4月29日(土)―6月18日(日)
展示構成:
1章 初期のドローイング/楽譜(1904-1907)
2章 揺りかごから墓場まで(1908-1912)
3章 地理と代数の書(1912-1916)
4章 歌と舞曲の書(1917-1922)/歌と行進のアルバム(1924-1928)
5章 葬送行進曲(1928-1930)
6章 ブロートクンスト―日々の糧のための作品(1916-1930)
“スイスのベルン近郊に生まれ、孤独で悲惨な幼少期を送ったヴェルフリ(1864-1930)。
絵を描き始めたのは、罪を犯し、精神科病院に収容されて数年後の35歳のとき。以後、病室で一心不乱に描き続け、生涯に描いた数は25,000ページ。
余白を残さず、絵と文字と音符で埋め尽くされた作品はどれも、既存の芸術や美術教育の影響を受けることなく生み出された他に類をみない表現力と、奇想天外な物語性、そして音楽への情熱にあふれています。
自分の不幸な生い立ちを魅惑的な冒険記に書き換え、理想の王国を築いて世界征服をたくらみ、音楽監督として作曲に没頭したヴェルフリ。彼が描いたのは空想の世界の出来事ではなく、すべて真実と疑わない自らの姿を投影したものでした。
ヴェルフリの初期から晩年までの74点を厳選した本展は、アール・ブリュットの源流をたどる待望の機会です。緻密にして壮大、エキセントリックにしてファンタスティックな創造力を是非その目で確かめて下さい。(HP紹介文より)”
会場では
3つの貴重な資料映像(45分・20分・15分)が各展示室で流れていたり
その大きさと繊細さから借用困難とされてきた
紙を何枚も継ぎ足した巻物のような全長486cmの大作『アリバイ』(1911年)を鑑賞できたり
充実した内容。
どんな気持ちでヴェルフリは
現実とは離れた世界を想像していたのかしらと想うと、なんだか涙が出てしまうような・・
彼の境遇を知らなかったとしても、芸術作品として
その想像力と作品への情熱には、感動します
美術展を想い出しながら眺めている
本邦初の本格画集(国書刊行会 ¥2,700税込)
帯の宣伝文句は
「描くことは、もう一つの人生を生きること」
多分、感じる人だけにわかる
技術とか、上手下手とか、を超えて訴えてくる力
創作とは何か、を
教えられた感じ。。
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