京都市立小の20代男性教諭が複数の男子児童にわいせつ行為――京都市教委の「公表基準」はどうなっているのか
京都市立小学校の20代の男性教諭が、複数の男子児童にわいせつな行為をしたとして懲戒免職となっていたことが報じられました。
京都新聞は「【独自】京都市立小の20代男性教諭が複数の男子児童にわいせつ行為 懲戒免職、逮捕前の昨年11月」と報じています。
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「【独自】京都市立小の20代男性教諭が複数の男子児童にわいせつ行為 懲戒免職、逮捕前の昨年11月」
(京都新聞デジタル)
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今回、私が注目したいのは、事件そのものだけではありません。
京都市教育委員会は、教職員の懲戒処分について、一定の公表基準を設けています。
文部科学省が全国の教育委員会の懲戒処分の公表状況をまとめた資料によると、京都市は、原則として「被処分者の学校名、職名、年齢、性別、処分内容、処分理由」を公表するとされています。
また、懲戒免職や懲戒停職の場合には、一定の条件の下で被処分者の氏名も公表するとされています。
もちろん、例外もあります。
「被害者等が事件を公表しないよう求めている」場合や、「被害者等のプライバシーに特に配慮する必要がある」場合、「子どもの心身の発達に重大な影響を及ぼすおそれがある場合」などには、一部または全部を公表しないことができる、とされています。
つまり、被害児童が小学生である今回の事案について、被害児童が特定される可能性のある情報を伏せることには、当然十分な配慮が必要です。
しかし、ここで一つ疑問が生じます。
「被害児童を特定させないこと」と、「教員が懲戒免職になった事実や、その理由まで公表しないこと」は、本当に同じことでしょうか。
例えば、被害児童の氏名、具体的な年齢、学級、担任していた児童、学校名など、被害児童の特定につながる情報を伏せた上で、
「京都市立小学校の20代男性教諭を、複数の児童に対するわいせつ行為を理由として懲戒免職処分とした」
という程度の公表までできないのでしょうか。
ここは非常に重要なところです。
京都市教委の現在の「京都市立学校幼稚園教職員の処分等に関する指針」も公開されています。
また、京都市教委は過去にも教職員の懲戒処分について公表資料を作成しています。
例えば2024年8月の京都市会文教はぐくみ委員会資料では、京都市立宇多野小学校の37歳男性教諭について、懲戒免職処分を行ったこと、処分理由、逮捕及び不起訴となった経緯まで公表しています。
ただし、この事案は児童に対するわいせつではなく、知人女性に対する不同意わいせつ等の事案です。したがって、今回の「教え子へのわいせつ」と単純に同列に比較することはできません。
だからこそ、今回について知りたいのです。
京都市教委はこれまで、教員が児童生徒に対してわいせつ行為をした場合、
「被害児童を特定できる情報は伏せる。しかし、懲戒免職という処分の事実と、その理由は公表する」
という扱いをしてきたのでしょうか。
それとも、
「児童生徒が被害者となるわいせつ事案については、被害児童の特定につながる可能性があるため、懲戒免職処分そのものを含めて非公表とする」
という運用なのでしょうか。
もし後者なのであれば、京都市教委には、その判断基準を明確に説明していただきたいと思います。
特に気になるのは、「被害児童を守る」という目的のために、どこまで情報を非公表にする必要があるのかという点です。
被害児童の氏名や学校名などを伏せることと、処分の存在そのものを伏せることとの間には、大きな違いがあります。
懲戒免職という重大な処分が行われた以上、市民に対して処分の事実と理由を説明することも、教育行政の透明性という観点から重要ではないでしょうか。
もちろん、被害児童のプライバシーを守ることが最優先であることに異論はありません。
だからこそ問題にしたいのは、
「公表するか、しないか」
という二者択一ではなく、
「被害児童を特定させない範囲で、何を公表するのか」
という京都市教委の判断です。
そして、同じような教員の不祥事について、ある時は懲戒処分の事実・理由を公表し、別の時には処分そのものまで公表しないのであれば、その違いについて市民に分かる説明が必要だと思います。
今回の事案について、京都市教委がどのような基準で公表・非公表を判断したのか。
これは単なる一教員の不祥事の問題ではなく、教育行政における情報公開の公平性・一貫性の問題として、確認する必要があるのではないでしょうか。