ケリー・ライカート最後は、四作の中で三番目に作られた本作。
これも是非とも手元におきたい作品。
かなり凹んでて明日休みなら、酔わない程度の酒と一緒に浸るのに持ってこいだと、ね。
この「ウェンディ&ルーシー」を見ながらケリー・ライカートの映画について思い当たった。
本当にうろ覚えで記憶違いだったら陳謝だけど…手塚治虫か誰かの漫画にこう言うのがあった。
特殊な能力の女の子がいて、怪我をしてもこの子に手を当ててもらえば立ち所に治ってしまう。
まさかこんな重傷でもという怪我でも少し時間をかけて手当てすればあっという間に完治する。
人々は彼女に押し寄せる。彼女は自分の使命だと思っているから全く拒まない。
ある時彼女の姿が見えないから探してみると、全ての疾患を彼女自身の体で請け負っていて
床に伏せっていた。それを見て人々は青ざめる…という話。
ケリーライカートの作品は全てそうだ。
主人公が必死に生きた災難が我々が被る悲劇を請け負ってくれている。
いい作品には小説でも絵画でもこういう要素がある。
特にこの「ウェンディ&ルーシー」を観ているとそう思わずにいられないのだね。
この恩恵は、ケリー・ライカートや作家のジョン・レイモンドの仕事もさることながら、ミシェル・ウイリアムスに拠るところ絶大だ。とにかく演技に説明的な表情など一切ない。
ケリー・ライカートの弁がある。
「彼女はじっと静止していることができ、そこから多くのことを表現することができるのです。」
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我々にも何もいうことはありません、彼女の姿をスクリーンで観て味わって欲しい。
さて、
ケリー・ライカート作品は、
Unextでも「ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画」や「ライフ・ゴーズ・オン彼女たちの選択」が観れる。
引き続き楽しみます。