プロファイリングのテスト(追記) | ニャンコと家事とギターな日々

ニャンコと家事とギターな日々

音楽やニャンコ、ダイエットの事なんかを徒然に…


今回もまたギター機材関係の事をマニアックに書いてます。
その辺の事に興味の無い方はいつものようにスルーを推奨致します。
悪しからずご了承くださいませ。
m(_ _)m





 


いや~、Kemper、奥が深い。
何たってプロファイリングと一言で言っても
(取り説にもすげぇラフに簡単に書いてるけど)
同じ事を違うマイクでやれば当然の事ながら結果も
全然違って来る訳で。(^ ^;

って事で、取りあえずなお試しで、上の写真の4種類のマイクで
簡単にパッパと違いを聴いてみる事にしました。

ファイル名の語尾にマイクの種類付け足さないで例えば
「'67 JMP50 OD」とかにしたら全く別物の音色が4つ出来上がります。
んで、そこには「好み」が多分に介在する…と。
勿論好みだけではなく、ジャンルによって狙う音、欲しい音も
変わってくる訳で、それに合わせて…ってのは必然でしょうけども…


一応、ざっと各マイクによる音の傾向を書いとくと…

◆SHURE SM-57 "ゴーナナ"(写真上左)
みんなが思ってる(HMまで行かないHRの)マーシャルの音といえば
大抵はこれじゃないかな?って一番聴き慣れたオーソドックスな音。
周波数特性的に言えばミッドの一言。
良くも悪くもハイとローがデフォルメ気味。
4発キャビで鳴らした時の実際の生音では耳をつんざくような
キャリキャリのハイとアンサンブルの邪魔になり兼ねないローが
出てるんだけど、それを上手く緩和してくれる特性。
なぜマーシャルというとゴーナナなのか?の答えがそこにある。
ドンシャリのハイゲイン系にしようと思った時には、
ちょっとローが足りない。

◆AKG D-112 "BIG EGG"(写真上右)
一番分かり易い音のピークはゴーナナのそれと近い…んだけど、
ドラムレコーディングの経験のある人ならこれがバスドラに
立ってたのを見た事があるんじゃ?という、どちらかと言うと
低域収音タイプ。今回の他の3つよりも設計が新しい分ハイエンドも
比較的良く伸びてる。
EQしなくてもゴーナナよりけっこうドンシャリになるんで、
最近のハイゲインな歪みの音はこれが良いかも。
前回書いたLasse Lammertさんが収録した音なんかは、
これで録ったらドンピシャだと思うよ。

◆E/V RE-20(写真中央灰色)
これはミックジャガーが歌録りに使った事があったり、
向こうのラジオのDJが使ってる画を良く見たり、
もう終わっちゃったけど、日テレの「THE夜もヒッパレ」で
東京JAPの赤坂康彦さんがこれの後継機種RE-27を持ってDJしてたのを
覚えてる方もいらっしゃるんじゃ?ってくらい
声関係で使われてるのを見る機会が多いマイクだけど、実はこれも
けっこう低域収音タイプ。しかも近接効果に強い。
とは言え、後継機種のRE-27ならまだしもRE-20は設計がかなり古いので、
これ1本で上のD-112のようなドンシャリは望めない。
どちらかというとゴーナナとの合わせ技でゴーナナに足りない
ローを補うような使い方が合ってるかな。
旧ブログで良くアップしてた音源収録時にはそういう使い方を
してました。

※近接効果
ザックリ言うと音源にマイクを近付け過ぎると低域ばかりの
ボワボワした音になる。

◆SENNHEISER MD-421 "クジラ"(写真下)
ゴーナナより一番目立つピークがハイ寄り。
ゴーナナで録ったトラックはオケ中で埋もれないようにハイ部分を
EQで持ち上げる事が良くあるんだけど、その辺が程よく
持ち上がってる感じ。ドラムのタムにも良く立てるマイクなので
ローも比較的良く拾う。
とはいえ、やっぱりD-112のようなドンシャリにはならず、
全体的にもう少しミッド寄り。
HM以前のギター収録、特にコンボアンプに向いてるんじゃ無いかな?


全然ざっとじゃなかったね。f(^-^; ポリポリ


個人的には…
ゴーナナ:昔ながらのマーシャルサウンドならこれかな。
D-112:ハイゲインドンシャリサウンドならこれでしょ!
RE-20:練習用等小さいアンプで迫力ある音にしたければ
思いっきり近付けて近接効果込みでこれ。
クジラ:ツイード、VOX、マッチレスなんかをオケ中で
良い佇まいにさせるならこれかな。

ま、あくまでも個人的感想ですのでご勘弁を。
ツイード、VOX、マッチレスでもオーソドックスにゴーナナが良い
って人はけっこう居ると思われ…
だし、これ、マイク直での感想ですから。
マイクアンプも咬ますとなるともっと変わってくるよ。(^o^;;;

ツイードも含めてフェンダーアンプをプロファイリングするなら
コンデンサマイクを使いたい所なので、当然ファンタム送る
必要があるからマイクアンプは必須。
コンデンサマイクは上の4機種よりもっとレンジが広くて
素直な特性だから、マイクアンプの音色もかなり加味されるのは
想像に難くない…マイクは同じでもマイクアンプ何使ったかで
やっぱり結果は全然違ってくる…(^ ^;



このKemperってヤツは、やっぱ「ただの1ギタリスト」の人よりも
自分自身でエンジニアの知識、経験のある人…
もしくはしっかりしたエンジニアさんとタッグを組める立場にある人…
の方がよりたくさんの恩恵を授かれるのは確実だね。

まぁ、HPやフォーラムにアップされる音色データだけを頼りに
Rigライブラリを充実させていくってだけでも、良く対抗機種的に
引き合いに出されるフラクタルオーディオAxe-FxIIより
全然フレキシブル且つ進歩的かも知れないけどね。

アタシなら確実に自分の知識、経験をふんだんに活かせる
Kemperに軍配が上がっちゃうなぁ。
しばらくこの手の機材には全く興味が無かったのに、
衝動買いのようにKemperを買った理由はまさにそこだもの。
(^ ^



追記:

そういや、Kemper、キャビネットの所のタグに使用マイクの情報が
あるはず(音色制作者が記入してればの話だけど…)と思って、
Lasse Lammertさんの音色のキャビの所を見たら、
ゴーナナ1本だったり、ゴーナナに最近流行りのリボンマイクを
組み合わせ…
みたいな感じでしたね。
「やっぱりロックはゴーナナなんだぁ…」なんて感心したり…(^m^

いや、それにしてもこのLasse Lammertさん、面白いマイクを1本
使ってますよ。オーディオテクニカATM250DEっての。
彼のタグ入力では「at250DE」ってなってて、Mを入れ損なったか、
オーディオテクニカの250DEってつもりで入力したのか…
まぁ、そんな事ぁどうでも良くて、
このマイク何が面白いか?っていうと、「デュアルエレメント型」
ってなってて、ダイナミックとコンデンサの両方が1本に入ってる…

得てしてダイナミックはパンチはあるけどレンジ感や繊細さなんかは
弱かったり…
コンデンサはレンジ感、エアー感は良いけど腰が弱かったり…
だからギターやドラムを録る時ってダイナミックとコンデンサを
組み合わせる事は多いんだけど、
これはそういう現場のニーズに応えた新製品って事なんでしょうね。

ドラムのマイキングってそれでなくても多いマイクスタンドの
足の配置に困ったりするからね。
マイク2本分が1ヶ所1本のマイクスタンドで済ませられれば、
いろんな事が有利になる。
何より同一ハウジング内にダイヤフラムを2つ配置出来る訳だから、
位相のズレが最小限に留められる。

ゴーナナがローが弱いからって、ロー用のマイクただ足しゃ良いって
もんじゃなく、マイク立てる位置に寄っちゃお互いのマイクが拾う
音が干渉しあってローは足されたけど、
本来あるはずの美味しい部分がディップ(えぐれ)しちゃった…
なんてのは良くある話だからね。(^ ^;


いや~、Kemperをきっかけに面白い物見付けられて、
ちょっと燻ぶってたエンジニア、プロデューサーの方の血が
沸々とたぎって来るようだわ。(^o^;;;