公認スポーツ指導者講習で学んだこと⑨『スピードトレーニング』 | 上条武術研究所

上条武術研究所

プロレス・サンボ・合気道を経験。
月刊秘伝読者。
○現在の活動
・自宅ジムを開放(不定期)
・武術系、介護系の同人誌制作

『スピードトレーニング』


筋力トレーニングについては、コチラ。



まず、スピードの定義。

スポーツにおいてのスピードは曖昧に使われることが多いので、【スピード】が指す能力を整理します。


①、反応スピード。目や耳で感知して、動作を始めるまでのスピード。

この能力は神経系の発達の関与が大きい。


②、反復スピード。体力測定の反復横跳びのような同じ動きを繰り返しスピード。

四肢の筋肉の拮抗筋のコントロール能力。


③、疾走スピード。走る速度。

神経系の関与や走る技術もあるが、生理学的には筋力やパワーの影響も大きいとなる。


スピードの指す能力を整理すると、どのようなトレーニングが必要が分かってきますね。


・反応スピードを高めるトレーニング。

音、光、合図、相手の動きなどに合わせて、ダッシュ、ジャンプ、パンチなどの動作をするトレーニング。最初の姿勢や行う動作は各スポーツに合わせて選ぶ。

そう考えると、レスリングの合図でのタックル切り、ボクシングのミット打ち、フルコン空手の約束組手、合気道の自由捕りとかも、この反応スピードを高める要素があったんだな~と思いますね。


・反復スピードを高めるトレーニング。

その場のステッピング、ラダートレーニング、反復横跳びなど。

そう言えば、プロレスの時ってアジリティトレーニングとかラダートレーニングは必ず入ってましたね。

格闘技や武道では反応が重視されて、受けの美学が謳われるプロレスでは、反応スピードは不要(とは言わないが…)で反復スピードという肉体を鍛えるトレーニングメニューが入っいたのは、振り返って見ると興味深い。


・疾走スピードを鍛えるトレーニング。

疾走スピードを高めるトレーニングは、筋力トレーニングになるので、ここでは太腿の神経系を鍛える要素の高いトレーニングを紹介。


下り坂走…緩やかな坂を駆け下りて、スピード感を覚える。坂が急すぎると足でブレーキをかけてしまうので、このトレーニングの効果はなくなる。ウェイトトレーニングのチーティングみたいなものかしら。


トーイング…チューブなどで軽い負荷をかけて、ランニングの練習をする。




最後に、『スピードを高めるパワートレーニング』


パワーは筋力×スピードなので、パワートレーニングもスピードを高めることになる。


具体的なトレーニング例としては、メディスンボールを投げる、垂直ジャンプなど。


パワートレーニングのポイントは【準備動作】をとること。準備動作を上手くとることで、弾性エネルギーを利用できる能力を獲得できる。


弾性エネルギーを利用する能力のトレーニングのことを【プライオメトリクス】と呼び、近年は注目されている。


調べると、そういう器具も売ってるんですよね。

意外と値段がするので、ホームセンターで材料を買ってくれば、似たような物は作れなくもない気がしなくもない。