初恋

島崎藤村

(詩集『若菜集』より)

 

まだあげ初(そ)めし前髪の
林檎(りんご)のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛(はなぐし)の
花ある君と思ひけり

 

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅(うすくれない)の秋の実に
人こひ初めしはじめなり

 

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情(なさけ)に酌(く)みしかな

 

林檎畑の樹(こ)の下に
おのづからなる細道は
誰(た)が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

 

 

(232)初恋

 

 

『初恋』には、色々な解釈があり

モデルと推測される女性も何人かいるようです。

また、読み進めていくと

少し大人の恋のニュアンスも

含まれているのを感じます。

 

けれど今回は

あえてそうした掘り下げに頓着せず、

この歌のもつ初々しい印象を大切にして

前髪をあげ始めたばかりの少女を描きました。

 

 

 

 

メニュー一覧

クローバー絵はがき・・・ブログ掲載作品の絵葉書です。

詳しくはこちらからどうぞ

 

クローバー人物画・・・制作ご依頼お受け致します。

詳しくはこちらからどうぞ

 

クローバー菩薩様画・・・制作ご依頼お受け致します。

詳しくはこちらからどうぞ

 

クローバーお名前イラスト・・・誕生花のパステル画に、アート書道でお名前を書きます

詳しくはこちらからどうぞ

 

クローバー卓上カレンダー・・・ブログ掲載作品のカレンダーです。

詳しくはこちらからどうぞ

 

クローバー講座・・・H30年5月から休止しています

 

 

【お問合せ・お申し込みメールアドレス】

irohani.yumi☆gmail.com

お手数ですが☆を@に変えて送信ください。