ごちゃごちゃとした研究所。様々な機械が並ぶ中をばたばたと大げさな仕草で登場する白衣にアフロ頭の博士。
「ない!ない!ないのじゃぁぁぁぁぁ!!!」
右へ左へとばたばたと何かを探し続ける博士。
「どうしたんですか?」
部屋の奥の扉から髪の毛はストレートロング、赤いメガネでこちらも白衣の女の子・・・助手があきれながら、部屋に入ってくる。
「博士!何を探しているんですか?」
「なにって・・・おお!助手ではないか!いや昨日完成して、メカぼっくりんに取り付けた装置が・・・おおおおおお!そうか!昨日メカぼっくりんに取り付けたので、ここにはないのかぁ!いやぁ!納得!納得」
一人でうなづいている博士。
「また、何をつくったんですか?あまりメカぼにいろいろなものを取り付けるのはやめてあげてくださいよ」
「何を言うか!あいつは、わしの忠実なるしもべ!言うなれば、わしの恨みの実践者!!思えば今もなお通い続けているあの神社。彼女が欲しいと願い続けて何年の月日が流れただろう・・・。わしのささやかな願いすら叶えてはくれぬような縁結びの妖精の代わりに作り上げた機械仕掛けの恨みの実行者!それがメカぼっくりんなのじゃぁぁ!」
「はぁ・・・まだ通ってるんですか・・・」
「もちろんだぁ!あの神社に通って、彼女ができました!幸せな結婚ができました!友達と仲直りができました。良い就職先とめぐり合えました!という声が全国より寄せられているのじゃァ!もしかしたら、単にわしのことを忘れているだけなのかもしれないではないかぁ!・・・な、なんだと!わしを!このワシを忘れるだとぉ!くそぉぉぉぉぉ!縁結びの妖精!許さんぞ!」
勝手に盛り上がり、何やら怒りだした博士に向かい、部屋の隅から別の声が聞こえてくる。
「きちんと助手とめぐり合えているんだよ」
メメッカ。助手の作った高性能女の子ロボットなのである。その言葉を聞いて焦る助手。
「わ、わ、わ!は、博士!それで何をメカぼっくりんにとりつけたんですか?」
「これだ!」
メメッカの言葉が聞こえていなかった博士は、自慢げに一枚の紙を差し出した。どうやら何かの設計図のようだ。
「これ?これなんですか?」
博士から設計図を受取り、机の上に広げて、メメッカとともに見ながら、助手が言った。
「それはだな!なんと、道行く人々にわしの素晴らしさを伝える装置!!高周波の思念パルスをフラッシュ状態の光とともに発射し、相手の感情の隙間にこちらからの情報を植え付けることのできる装置なのだぁ!
これで、わしに見向きもしなかったお姉さんたちが、「博士さん!素敵!」「博士さん!かっこいい!」「博士さん!個性的!」とか・・・お!なんだ?助手!そのハンマーみたいなものは・・・いや危ないので、そんなものをもって・・・ちかづいてk・・・うわぁぁぁ・・・」
「はぁはぁはぁ。」
背中で荒い息をしている助手。足元に幸せそうな顔で気絶している博士。
「そんなもの作らなくても、「博士!素敵!」とか「今日も博士、かっこよかった・・・」とか「博士!いつも個性的!」なんてセリフは、毎日助手が言っているんだよ。写真に向かってだけど。」
とすぐそばで起こっている惨劇には興味を示さず、設計図を見ながら、メメッカが言った。
「うるさい!メメッカ!最近一言多いんじゃない?」
「そんなことないんだよ!本当のことなんだよ!」
とっても可愛くポーズをつけながら、メメッカは言った。
「・・・大体、あんたがメカぼと引っ付いてくれたら、博士だって、絶対!私の気持ちに気づいてくれるはずなんだから!」
「ははは!メカぼは、暗いから無理なんだよ」
と笑い飛ばすメメッカ。
「・・・そうだ!メカぼ!どこにいるの?」
途端に慌てる助手!
「興味がないから、探すつもりはないんだよ!ぼっくりんがどこにいるかは、いつでもわかるんだよ!」
とモニターを立ち上げる。
「ぼっくりんじゃなくって、メカぼ!・・・ってあんた、いつの間にそんなシステムを・・・」
とモニターを覗き込む。
「大好きなぼっくりんが、いつどこで何をしているか、知っておきたいのは乙女の願望なんだよ!」
「・・・いや、乙女の・・・っていうより、ストーカー入ってない?」
「大半のストーカー行為は、可愛い女の子がやった場合、乙女の純情という言葉で済まされるんだよ」
「いや、絶対ないから!え?ぼっくりん、今サンモールにいるの?」
「そうなんだよ!営業のお仕事が忙しいみたいなんだよ。私はこうして陰ながら見守っているんだよ!」
「陰ながら・・・って、監視モニターをハッキングしてるの?・・・ぼっくりん・・・いないよ・・・」
「まだ出番ではないんだよ」
「そっか・・・って、メカぼいる!通路の真ん中に!」