サンモール
人ごみの中、通路に仁王立ちしているメカぼっくりん。
人々が集まってくる。
口々に「なんやこれ?ぼっくりんとちがうやん」「なんだこれ?」「きもちわる」「しょぼ」「新聞紙やん」と言いながら、結構いい年のおじさんが近づいてくる。
メカぼっくりんを中心に人が集まり、メカぼっくりんの目が紅く光る。
額についた装置がまばゆい光を放ち、あたりが真っ白になった後、やはりメカぼっくりんの姿は消えている。
ぼっくりんを楽しみにしていた人々は、思い思いの方向に帰り始める。
研究所
助手とメメッカはその一部始終をモニターを通して、見ていた。
「メカぼ・・・博士の言いつけ通りにもううごいてるの?・・・あのおじさんたちが、今からここに来て、「博士さん!素敵でごわす!」とかいうのーーー?いやーー!あんなおじさんがライバルなんていやー!」
パニックになっている助手の横で、冷静に、モニターを見続け、
「助手、なんかおかしいんだよ。」
と言いながら、音声のゲージを上げる。
ミニターに注目する助手。
「(モニター音声)今日何があったっけ?」
「(モニター音声)ぼっくりん?なんだっけ?それ?」
「(モニター音声)なんかいたな。そんなやつ」
モニターから流れてくるおじさんの声に助手もまた注意をモニターに向ける。
「博士!素敵!って言ってない・・・」
「助手、おそらく・・・博士の思惑と違うことが起きてるんだよ」
二人で設計図を見直す。
「博士・・・一体、何をつくったの?」
市役所
たくさんの職員がいる。産業振興課と書かれたプレート。
一人の職員が電話を取る
「はい!産業振興課です!え?ちょっと待ってください!・・・室長!室長!電話です!なんか、ぼっくりんが来てへんって、サンモールから」
奥の席に座っている男の方に向かい電話を差し出す。
奥の席の室長が立ち上がり、
「え?スタッフはもう向買ってるはずやろ?」
「そのスタッフからです」
「どういうことやねん?ちょっとかわるわ」
と自席の電話をとり
「かわりました。北です。ぼっくりんがおらへんって、どういうことやねん?え?一緒に来たけど、さっきから見当たらへん?どっかに行ってまうわけないやろ!・・・もうええわとにかく、いくわ!」
と、電話を置き、他の職員に向かって、
「ちょっと、サンモール行ってくるわ!なんか、ぼっくりんがおらへんようになったとかいうとる」
と部屋を出かけて、
「ちょっと、お前もこい」
と先ほど電話をとった職員を呼ぶ。
「なんかいやな予感がするわ」
と耳元で他の職員に聞こえないように告げた。