アスパ
人ごみの中、メカぼっくりん
白く光る。
向島公園・海浜公園
砂浜に向かってたくさんの家族連れ、砂浜の真ん中にいるメカぼっくりん
光る
宝殿駅
電車が通り過ぎると向こう側のホームにいるメカぼっくりん
電車待ちをしている人々に向かって光を放つ。
研究所
設計図を覗き込んでいるメメッカと助手
「博士って・・・たぶん、馬鹿なんだよ!」
というメメッカ。
「博士の悪口言わないで!」
と助手が制するが、
「悪口ではなく、単なる感想なんだよ。この装置・・・伝えたい情報の入力と保存をする部分が全くなくって、メカぼの電子頭脳に直接つないでしまっているんだよ!」
「博士!素敵!っていう情報が、伝わっているわけじゃない。っていうことは・・・」
「なんの情報が伝わっているか分からないんだよ」
「メカぼを見て光を浴びた人に強制的に埋め込まれる情報・・・メカぼは、何を人々に入力してるの?」
「さあ、わからないんだよ」
「とにかくメカぼを止めなきゃ!」
と先ほどのモニターに向かい
「メメッカ!この「ぼっくりんストーカー装置」のプログラムコード見せて」
「助手!ストーカーではないんだよ!恋する乙女の熱い思いなんだよ!」
「もう、どっちでもいいわ。」
メメッカがキーボードを操作し、画面にプログラム本体が表示される。
助手はそれを流してみながら、
「これ、ぼっくりんの生体情報をなにで受けてるの?」
「ぼっくりんの固定パルスと同期する物質があるんだよ。それでパルスの強弱情報とGPSを・・・」
「わかった!ありがとう!でも、機械でもない人間でもないぼっくりんの反応なんて、よくわかるわね?」
「恋する乙女に不可能はないんだよ!」
「はぁ?・・・こっちは恋してるけど、不可能だらけよ・・・」
「それは、助手がヘタレなだけなんだよ!さっさと告白しちゃえば・・・」
「うーるーさーいー!あんたみたいに「見てるだけで幸せなんだよ!」ってわけにも行かないのよ!まあ、あんたの場合見ていだけ!がかなり過激な感じだけどね」
「助手も私を作った頃、見てるだけで、って言っていたんだよ」
「確かにそうだけどね・・・」
モニターに刺さる線を分岐させて、
「このセンサー分けてもらうわよ」
「ぼっくりんが見えなくなるのは嫌なんだよ!」
「大丈夫。システムをもうひとつのパソコンにコピーしたから。元のシステムが大丈夫かどうか確認してね。こっちは、ぼっくりんのパルスの代わりに・・・えっと、メカぼのパルスって?」
「博士の生体情報で大丈夫なんだよ。メカぼは、博士とリンクして、博士の感情・・・特に悔しさとか妬みとかをエネルギーにしているんだよ。」
「そっか。博士の情報なら、私のデータベースに入ってるからそれをコピーしたら大丈夫だね」
「・・・助手も十分ストーカーだと思うんだよ」
「なんかいった?」
「なんにも言ってないんだよ」
とあわてて自分のモニターに向かうメメッカ。
作業を進める助手。
「これで、OK起動させるよ!」
「ちょっと待って!なんだよ」
「どうしたの?」
「これを見て欲しいんだよ」
「え?」
「ぼっくりんの反応が薄くなってきているんだよ」
画面の中でぼっくりんを示す点が明滅していた。その色が次第に消えていこうとしているように見えた。