研究所
「ぼっくりんが見えなくなったら困るんだよ!」
メメッカが立ち上がった。
モニターでサンモールの様子を確認していた助手とメメッカ。
「とにかく、これでメカぼの居場所は特定できる。今、曽根神社にいる!メメッカ!ウロウロしてないで、いくよ!」
メメッカは振り返り!
「そうか、昨日博士が言っていたんだよ!」
「え?」
「自分のことを素敵っていう情報を保存していなかった博士。メカぼの電子頭脳に直接装置を取り付けたりしたから、てっきりメカぼが、自分の意思で何かの情報を人々に植え付けているって、思っていたんだけれども、メカぼはそんなに賢くないんだよ」
「どういうこと?」
「昨日、博士が言っていたんだよ」
回想
博士「いいか、メカぼっくりん・・・」
メカぼ「ぎぎぎ・・・」
博士「俺は、妖精など信じない・・・」
メカぼ「ぎぎぎ・・・」
博士「妖精など・・・いないのだよ」
回想終わり
助手は大きくうなづいた。
「ああ、集団お見合いの交流会の申込のお断りのはがきが来て、メカぼに八つ当たりしてたときね・・・」
「そうなんだよ!その情報が、メカぼの中にある最後の博士の言葉なんだよ!」
「・・・確かにその後、やけ酒して、そこのソファーで寝てしまったものね・・・」
「博士の最後の言葉を情報化して、人々に埋め込んでいっているんだよ!「いない」から見えないっていうことになっているんだよ」
「つまり催眠術のようなものね」
「その通りなんだよ」
「とにかく!メカぼをとめないとね!行こう!メメッカ」
「わかったんだよ!でも、メカぼを止めるだけなら、もっと簡単なのに・・・」
「なに?いくよ!」
「わかったんだよ!」
部屋を出て行く二人。床で転がり続けている博士。
曽根天満宮
メカぼっくりんが人々に光を発射
山電曽根駅
メカぼっくりんが人々に光を発射
生石神社
メカぼっくりんが人々に光を発射
研究所
「ここやな。入るで!・・・ど、どないしたんや?」
と研究所に入るなり、床で倒れている人を発見する室長。
「うーん。わしのかのじょは・・・」
と単純に寝ぼけている。目の焦点が合っていなかったのが、自分を起こしてくれた人の顔をまじまじと見る。
「・・・だれじゃ?」
と至近距離の室長を見て、平静を取り戻す博士。
「俺は、高砂市役所の北っていうもんや。ここの研究所の博士やな」
「いかにもわしが博士じゃ!で市役所の役人がなんのようじゃ?」
立ち上がりながら、白衣のほこりを叩き、背筋を伸ばして言った。
対して、室長も立ち上がり、少し距離を置いて、
「メカぼっくりんはどこにおんねん?」
といった。
「ん?さあ?今この研究所内にはおらんようじゃが・・・何かようか?」
博士の飄々とした態度が鼻についたのか、室長は大きく机を叩きながら
「あんた!メカぼっくりんを使って何しようとしとんねん?」
「ん?なんのことじゃ?」
「今、メカぼっくりんが、高砂市内の何箇所かで怪しい光を放っている」
「ああ、あれか?あれは、わしのことを素敵!って言わすための光線じゃ!」
「ふざけとんのか?」
お互いの目の奥を探る二人。わずかな沈黙。
「何が、起こっておる?」
事態が深刻であることを悟った博士の顔も真剣になった。
「・・・あんたがやらせているのではないんか?」
「何が起こっておるのかゆうてみぃ」
室長は、ゆっくりと口を開いた。
「ぼっくりんが、市民から忘れられてしまう」