1789年に勃発したフランス革命は旧体制を解体し、19世紀近代市民社会を誕生させる重要な転換点となりました。この革命の時代と、それに続くナポレオン時代に一世を風靡(ふうび)したのが、古代ギリシア・ローマ美術を模範とした新古典主義であり、近代最初の芸術運動と位置づけられています。本章では、18世紀後半から19世紀前半にかけての美術について詳しく見ていきます。 Movie1・・・建築の原点の探求 -新古典主義建築の特徴- Movie2・・・理想の人体美 -カノーヴァと新古典主義彫刻- Movie3・・・新古典主義絵画の誕生 -ダヴィッドの歴史画- Movie4・・・ナポレオンと新古典主義 -帝政様式の流行- Movie5・・・新古典主義絵画の展開 -アングルの官能美-
18世紀後半に始まった新古典主義は古代を規範とした芸術運動であり、ヴィンケルマンの『ギリシア美術模倣論』が大きな影響を与えました。建築ではロジエの『建築試論』にしたがって古代建築が復活しました。彫刻ではイタリアのカノーヴァなどが活躍しました。絵画ではダヴィッドの歴史画を出発点として、アングルなど多くの弟子が活躍しました。応用芸術は、ナポレオン時代に流行したため、帝政様式とも呼ばれます。