2章ヴェネツィア美術-油彩画技法のあらたなる展開 | 65歳の芸大生

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定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

14世紀以降フィレンツェを中心に展開された芸術上の革新は、15世紀中頃にはイタリア北部の各都市へと波及しました。なかでもヴェネツィアは、15世紀後半にネーデルラントから伝えられた油彩画を発展させることにより色彩表現を飛躍的に深化させ、16世紀にはフィレンツェやローマの美術に比肩するルネサンス美術の一大中心地となります。本章では、絵画を中心にヴェネツィア美術の黄金期を見ていきましょう。 Movie1・・・ヴェネツィア絵画における筆致と色彩 -ティツィアーノの油彩画- Movie2・・・ヴェネツィア絵画におけるミケランジェロ的な表現 -ティントレットの絵画- Movie3・・・ヴェネツィア絵画の世俗性 -ヴェロネーゼの祝祭表現- Movie4・・・ヴェネツィアの彫刻 -フィレンツェからの影響- Movie5・・・ヴェネツィア近郊のヴィッラ建築 -パッラーディオの古典主義様式-

ジョルジョーネはスフマートによって微妙な明暗の諧調を描き分け、風景画と物語画を融合させたような作品を描きました。またティツィアーノはインパストや筆触の効果を利用したコロリートと呼ばれるヴェネツィア特有の彩色方法を発展させます。彼らの次の世代のティントレットは、セルリオの『建築書』に出てくるような舞台背景を構図として採り入れ、そこにミケランジェロ的な人体を配して神秘劇のような宗教画を制作しました。