15章スリランカ・東南アジアの美術-仏教・ヒンドゥー教美術の伝播 | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

本章では、まずインド亜大陸の南東に浮かぶセイロン島(現スリランカ)における古代~中世美術の展開を解説します。東南アジアは今日の国境にかかわらず複雑な歴史をもちますが、主要な時代と地域、すなわちインドネシアのボロブドゥール、カンボジアのアンコール遺跡を中心に解説します。いずれの地域もインドの仏教美術・ヒンドゥー教美術と密接に関わりますが、影響を受けつつもそれぞれが独自に育んだ造形的特色を探ります。 Movie1・・・アヌラーダプラのダーガバ Movie2・・・ポロンナールワのガル・ヴィハーラ Movie3・・・ボロブドゥール Movie4・・・アンコールワット -乳海攪拌- Movie5・・・バンテアイ・スレイ寺院

スリランカや東南アジアにはインドから仏教美術やヒンドゥー教美術が伝えられました。各所にグプタ様式や南インド様式の影響も見られます。スリランカでは仏塔をダーガバと呼び、古代・中世を通じて仏教信仰の中心となりました。インドネシアのボロブドゥールの仏教建造物や、カンボジアのアンコール・ワットのヴィシュヌ寺院は、建築自体がインドの宇宙観を表しますが、回廊浮彫の説話表現も秀逸な彫刻技法を伝えています。