4章反逆の芸術-ダダとシュルレアリスム | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

20世紀を迎え、近代化への道をひた走るヨーロッパ。そこに1914年、第一次大戦が勃発します。それは人々が近代的な兵器によって互いを殺戮しあう、最初の戦争でした。自分たちを幸福にするためにめざされた技術が、自分たちを傷つけるものに転化する。その現場を目のあたりにして、ヨーロッパの人々は自身の文明のあり方そのものに疑問をもつようになります。この疑問から生まれた芸術運動がダダイズム、そしてそれに続いて登場するシュルレアリスムです。 Movie1・・・戦火がもたらした「反芸術」 第一次大戦とダダ Movie2・・・レディメイドの衝撃 「芸術とはなにか」を問う芸術 Movie3・・・シュルレアリスムの基盤 「オートマティスム」と「デぺイズマン」 Movie4・・・シュルレアリスムの広がり さまざまな方法論の開拓 Movie5・・・写真で探る「無意識」 シュルレアリスムと写真

 

第一次大戦の勃発がヨーロッパの人々に促した深刻な自己批判は、芸術においては反芸術となって現れました。そのひとつ、ツァラらによるダダは、既成概念としての芸術の否定を目指しました。デュシャンが既製品を作品としたレディメイドは、ダダの主張を鮮やかに示しています。その後この文明の自己批判はシュルレアリスムに継承されます。フロイトの精神分析に触発されたブルトンが創始したシュルレアリスムは、人間の無意識がとらえた世界をオートマティスムなど多様な方法によって作品化しようと試みました。