5章戦争・革命・芸術-両大戦間期と第二次大戦下のヨーロッパ | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、京都芸術大学通信教育部芸術教養学科に編入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

1917年、ロシア革命が果たされ、翌1918年には第一次世界大戦が終結。ヨーロッパ社会は安定と前進する力を取り戻したかのように見えました。しかし1930年ごろになると、革命後のロシアではスターリンによる独裁体制が、ドイツではナチスによるファシズムが台頭。加えて1929年にはニューヨーク株式市場の暴落をきっかけに世界大恐慌が起こるなど、ヨーロッパとアメリカの政治的・経済的情勢はふたたび不安定になります。そして1939年、第二次大戦が勃発。激しく変動する世界情勢と、ふたたび起こってしまった戦争に、美術はどのように対峙 したでしょうか。 

Movie1・・・革命のあとで ロシア・アヴァンギャルドの帰趨 

Movie2・・・ファシズム下のアヴァンギャルド ナチス・ドイツの芸術政策 

Movie3・・・二人の巨匠の達成 「アヴァンギャルド」後のマティスとピカソ 

Movie4・・・「存在」を見つめなおす ベーコン、フロイド、モランディ 

Movie5・・・「極限状況」を生きる アンフォルメル

 

第一次大戦と第二次大戦との大戦間期は、アヴァンギャルド芸術に逆風の吹いた時代でした。ナチスが開催した頽廃芸術展や、スターリン体制によるマレーヴィチらへの弾圧はその象徴です。マティスやピカソもこの時期にはすくなからず「 秩序への回帰 」を志向しました。第二次大戦後に登場する芸術家たちにもこの傾向は引き継がれ、モランディによる静謐な静物画にそれを見ることができます。一方で第二次大戦後のパリにはアンフォルメルのような運動も起こり、ふたたび新しい芸術への模索も始まっています。