12章寺院建築の歴史-日本建築 1 | 65歳の芸大生

65歳の芸大生

定年退職後、新しいことにチャレンジしたいと考えて、今まで縁がなかった芸術について学ぼうと思い、通信制の芸大に入学しました。このブログが日々の学習内容の記録として活用しています。

この章の要点

日本建築の歴史は、少なくともその前半は寺院建築の歴史だといっても過言ではありません。この章では、7世紀にさかのぼる世界最古の木造建築である法隆寺の金堂をはじめとする西院伽藍の諸建築から、奈良時代を代表する薬師寺三重塔と唐招提寺金堂、平安時代における礼堂の成立や阿弥陀堂の隆盛を経て、大仏様、禅宗様という新たな建築様式が登場する中世までの寺院建築の歴史をたどります。 

Movie1・・・法隆寺の西院伽藍 

Movie2・・・平城京の寺院建築 

Movie3・・・平安時代の寺院本堂と阿弥陀堂 

Movie4・・・東大寺の再建と大仏様 

Movie5・・・禅宗様の建築

 

日本で最初の本格的な寺院となる飛鳥寺は、発掘調査の結果から一塔三金堂形式という伽藍配置を持つことがわかり、朝鮮半島からの影響が明確になりました。唐招提寺金堂の軒裏の木組には、完成された三手先組手を見ることができます。平安時代後期に流行する阿弥陀堂の形態の中で、浄瑠璃寺本堂は九体阿弥陀堂の唯一の遺構です。東大寺の南大門は、平安末期に大仏様と呼ばれる新しい構造方式で建てられた建築の代表例ですが、柱が上層の屋根の直下まで一気に立ち上り、下層の屋根は、柱に直接差し込まれた六段もの挿肘木によって側面に取り付けられるだけで、その一部は柱を貫通し貫となって縦横に柱を繋ぐ役割を果たしています。禅宗寺院の伽藍配置は、左右対称の整然とした配置をもち、総門・三門・仏殿・ 法堂が中心軸上に並びます。