今はグルメ時代。
どん底の不景気でもグルメ志向は衰えません。
しかし、ほんとうにおいしいものを食べているのだろうかと考えます。
私のような介護経験者が頭に浮かべるおいしい食事とは、病む人が食べても、健康な人が食べても、思わず舌鼓を打つようなものです。
その意味で、辰巳芳子さんの「いのちを支えるスープ」がちょっくらつまみ食いの目標です。
辰巳さんのような人がもっと多く登場してはじめて、ほんとうのグルメ時代の到来といえるのではないでしょうか。
値段の高い料理だけがグルメではありません。
手間暇かけたものだけが料理ではありません。
病で食事ができなかったある患者さんが言ったことを忘れません。
「どんなにつらくても、たこ焼きだったら食べられる。
私はやっぱり関西人や」と。
たこ焼きなら食べるとはいえ、実際にはひとつかふたつです。
せっかくのタコは、口内炎がひどくて食べられません。
それでも、食べたということが活力を生みます。
何よりの証拠に、一気に顔がほころび、ことばも生き生きしてきますから。