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スコット・ラファロと共にエヴァンスの「ファーストトリオ」のドラムを務めたポール・モチアン。
今一度エヴァンスに想いを馳せるということで製作された本作。
意外なことに(?)ピアノはナシ。
モチアンの言葉を借りるならば「エヴァンス風の演奏をするピアニストは増えたけど、エヴァンスの本質を理解したピアニストはなかなかいない」とのこと。
モチアンはあえて、ピアノレスの編成で「なんちゃってエヴァンス」になることを防いだのだろう。
その代わりに参加しているのがよく分からない系ギタリスト代表のビル・フリーゼル(笑)
全曲エヴァンスのオリジナルだが、ハナからエヴァンス的な演奏を目指していないことがすぐ分かる。
モチアンは自身のサウンドでエヴァンスを表現したいだけなのだろう。
ビルフリは相変わらずよく分からないが、多彩なコードワークと空間的なリズムの使い方がやっぱり上手い!
新感覚のぼんやり、ゆらゆらとしたグルーヴが楽しめる。
テナーで参加しているのがこれまた僕にとってはよく分からない系テナーのジョー・ロヴァーノ。
激しくブロウするフリー的なサウンドからうっとりとしたふくよかなサウンドまでとても幅広い音楽性をもつロヴァーノ。
なかなか掴み所のない、どこかモゴモゴとしたトーンはジョーヘンのテナーを思い出させる。
ビルフリとロヴァーノを支えるのは「ラストトリオ」を務めたマーク・ジョンソン。
驚くほど引き算のプレイを見せるジョンソン。
やはり大先生エヴァンスの楽曲に挑戦、となると思うところがあるのだろうか?
ジャケは最悪ですが、まろやかで甘美な演奏が終始繰り広げられている。
「Five」のようにぶっ飛んだ演奏もありますが。
ビルフリのギターが濃厚に味わえる一枚となっている。
あ、そういえばモチアンのドラムも僕にとってはよくわからないドラムです(笑)
この盤の「Re:Person I Knew」はどの「Re:Person I Knew」よりも幻想的で美しいのではないのでしょうか。
1990,5 (Bamboo)
Paul Motian (ds)
Joe Lovano (ts)
Bill Frisell (gt)
Marc Johnson (ba)
1.Show-Type Tune
2.Turn Out The Stars
3.Walkin' Up
4.Very Early
5.Five
6.Time Remembered
7.34 Skidoo
8.Re:Person I Knew
9.Children's Play Song