第五話 異世界転生系アニメロス
「……サブスク?」
誠が首をかしげた。
「あー、サブスクっていうのは、
“サブスクリプション”の略で、
ネットで月額料金を払えば、
アニメや映画がいつでも見放題になるサービスのことだよ。」
修一がスマホを見せながら説明する。
「なるほど。
よくCMで“独占配信中”とか言ってるアレか。」
誠は「へえ〜」と感心しながら画面をのぞき込んだ。
そんな誠の様子を見ながら、修一が少し言いづらそうに口を開く。
「……実は、そろそろ寮に戻ろうと思ってるんだ。」
「…………えっ!?」
思わず声を上げる誠。
(えっ……
ってことは……
つまり……
魔王との決戦も、
あの女神の正体も……
観られないのか
)
「嘘だろ……。
明日もまたみんなで
観られると思ってたのに。
俺、今日なんか米ほとんど噛まずに飲み込んで、
食器も率先して洗ったんだぞ……
全部、この時間のために……。」
誠はソファにもたれ、力なく天井を見上げた。
「俺の……俺の……
(異世界ライフが……遠ざかる……
)」
修一が吹き出す。
「子どもか。」
そんな様子を見ていた由美がふわっと微笑んで口を開いた。
「も〜、パパったら。
本当にこの作品、気に入ったのね。
でも、今1番私たち家族にとって
大切な事って何だったかしら?」
その言葉を聞き誠は我に返る。
「……あっ。……はい。」
誠は咳払いし、すっと背筋を伸ばした。
「でもまあ……そうだな。
明日からまた大学生活、
楽しんでこいよ、修一。」
「うん、ありがとう父さん。」
「……あっ、でもその前にサブスク、俺のスマホに入れる方法、教えてくれな💦」
修一と由美が笑いだす。
「も〜、父さんはほんと締まらないな〜。」
そう言って、家族三人で顔を見合わせ、リビングに笑い声が広がった。
→ 第六話へつづく