マニピュレーターが知っておいて損しない話(06)システム編_接続の巻 | 夢が毛利毛利

マニピュレーターが知っておいて損しない話(06)システム編_接続の巻

びくぅ!!!押してないのに??!!! あ、映像かぁ~。。。。。

どうもこんばんわ、毛利です。

昨日は、図を作成するのに時間がかかりすぎて、
本題に入ることができませんでした。

では、いよいよシステムの解説に入りましょう。
僕の機材でのやり方で説明しますね。

もう一度、図を貼っておきます。




今回はまず、僕のシステムの接続と本番時の音声の流れを説明しますね。

まず、音を出す前に、 デジタル機器が多いので、
クロックマスターを紹介します。

Antelope ORION32 です。

以前は、ずっと Aardvark の AardSync を使っていました。
正直いってクロックによる音の違いに踏み込みたくなかったのですが、
ワードクロックを数珠つなぎにすると、トラブルのときに問題箇所を発見するのに困るので、
分岐するためにクロックマスターは必要だと考え導入していました。

昨年、長年システムを変更していないので、大きく変えずに
ブラッシュアップしようと思い、これを導入しました。
いくつかの機種を視聴して、僕の機材と好みにはコイツが合ってました。

ORION 32 の ワードクロックアウトは4つ着いており、
そこから、DM1000 , Traveler , 828 とワードクロックを送っています。

次は、マックです。 MacMini Quad と MacMini Dual 。
2台の MacMini には、双方とも、DigitalPerformer がインストールされており、
同じ本番用のファイルを開いています。
これが本番時の DijitalPerformer の画面です。




Mac は、
片方が、マスター。常に音が出る側です。
もう片方が、スレーブ。 
マスターがトラブったときや、本番中、突発的に演奏の尺が変更されたときに合わせるのに使用します。


マスターにつながっているオーディオインターフェース(以後インタフェース)は,

 MOTU Traveler mk3 /Firewire 接続。

ここから、 ADAT Optical2系統、系16ch が出力されます。

これでわかる方にはわかると思いますが、僕のシステムは、サンプリング周波数 48k で動いてます。

昨年から、bitは極力32bit float にしてます。(32bitは編曲、録音してるとき本当にいいな、と思います。)
最近96kのファイルも増えてきましたが、デジタル端子的に、96kは手を出しにくいのと、
実際96kでファイルのコピー、バックアップが続くときの待ち時間を考えると、
ライブにおいて、96kはまだ現実的ではないな、と思っているので、
まず48kにダウンコンバートしてから、作業に取りかかることにしています。
(その辺りはまた今度)

MADI、DANTE、AES/EBU などのデジタル規格が、もっとインターフェースに普及してくれれば
考えるのですが。。。。。

スレーブ側は、 

 MOTU 828 mk3 Hybrid と MOTU UltraLite mk3 Hybrid  /どちらも USB接続。

こちらは、 アナログアウトで、両機から 8ch ずつ、系16ch 出力されています。
基本、マスター、スレーブ両方、おなじ出力数が欲しかったため2台使用しておりますが、
この3台のうちのどれかが壊れたときのための機材のバックアップも兼ねてます。
先々、システム的なことがクリアできれば、1台で出力可能な MOTU AVB 24o などいいな、と狙ってます。

その出力されたオーディオをまとめるのが、

 YAMAHA DM1000 VCM です。

DM1000 は 2003年から使い続けており、
僕にとっては大事なシステムの心臓部でもあり、音の特徴になっていると思います。
昨年、VCMバージョンを追加購入しました。以前のVersion1は予備として、常に準備してあります。

DM1000 は48インプットあります。

マスターからのADAT16chが、ADATオプションカードに入力され、
チャンネル1-16 に立ち上げてます。
DM1000 は、フェーダー16本なので、キリがいいのです。

スレーブからのアナログ16ch は、Mic/Line インプット(これも16chついてます)され、
チャンネル17-32 に立ち上げれば、フェーダーを表裏切り替えることで、
マスター、スレーブ、まったく同じ並びで立ち上げることができて便利です。

ブログ第2回でアウトプットのことにふれましたが、
僕の場合はこの機材の仕様により、
まずDAW上で16chに割り振ってアウトプットして、
DM1000上に立ち上げた後、さらに現場に合わせたチャンネル数にバスアサインし、PAに出力しています。

こうすることで、基本的な自分のルールでのフェーダーの並びを常に維持することができるからです。
視認ですぐにどこにどんな音が立ち上がってるかわかると対応も速くなるものです。

僕の16chの割り振りはこんな感じです。
アーティストにより、アレンジの方向は色々違いますが
この中で役割を決めて割り振ることが多いです。

01-02 リズム
03-04 リズム or 楽器(シンセシーケンス、SEなど)
05-06 楽器(パッドやオルガン、コード感のあるもの)
07-08 楽器(ベルとかブラスとかラインのあるシンセ等)
09-10 楽器(ストリングスなど特徴になる大事なパート)
11-12 コーラス
13 ボーカル(本番未使用)
14 ダブルボーカル
15 クリック or キック
16 クリック

YAMAHAのデジタルミキサー、DMシリーズ、02R,01V はすべて、
内部バスは 8BUS , 8AUX あるので、十分なアサインが可能です。
またダイレクトアウトの融通もきくので、様々な出力方法を考えることができると思います。

僕は以前説明したように、上記の16chを現場に合わせてBUS/AUX アサインして、10ch以内にまとめます。

PAへのアウトプットは、DM1000には、キャノンで12OUTあります。
そこにBUS/AUX アウトプットをアサインして出力します。

また図には書きませんでしたが、昨年からは もう一つアウトプット方法を用意しました。
先に、あげた ORION 32 は、 AD/DAコンバーターでもあるのです。
なので、アウトプットにも使用することが可能です。
DM1000のADATオプションカードのアウトプットに、BUS/AUXをアサインして、
DM1000 から ORION32 に ADAT接続することで、
ORION32 から16out することができます。

これにより、クロックと合わせて、少し古かった機材の音が今どきに対応しつつも
ガッツは失わないようにすることができて満足しております。

これで、PAにアウトプットできました。

細かい設定などは、また実践篇で解説しようと思います。

この他にも、DM1000 から、リハーサル時の確認用に
モニタースピーカーFOSTEX NF-4A に,コントロールルームアウトを出力。

PAには出さずに自分だけイヤモニで音をモニターするためのステレオアウトと
本番時の自分用クリック確認のために、
Mackie 1202Vlz3 に 出力しております。

そう、この Mackie 1202Vlz3 には、
PAからの2ミックスも返してもらいます。
リハーサル、本番時は常に、ここのヘッドフォンアウトで視聴していることになります。

ちょっと文章だとややこしくなりますが、
これが、僕のセットの接続になります。

これでいつでもみんなに手伝ってもらえます!!!

さぁ、接続ができたところで、
次回いよいよ!!!

みんなが知りたかったアレ。 

2台の同期について、です!!!

ついに明かしちゃいます。(ちょっと考えればできる事なんだけどねw)

鈍ミス一兎!

毛利泰士