それは私が25歳の時。
当時電車通勤をしており、田舎特有のがらんとした吹き抜けのホームで、毎朝電車を待っておりました。
あまりにもナチュラルすぎる挨拶に、このおじさん実は知り合い?!と思ったけど、記憶にない‥
それが「おはようおじさん」との出会いだ。
それからというもの、
おはようおじさんは毎日「おはよっ!」って挨拶してきた。
目がくりくりとしていて、いつも曇りなきまなこで見てくるおじさん。
季節のはなしや天気のはなし、などいわば世間話。
お互いお互いの事は深く聞かず、特に話さず、そんな絶妙な距離感が私は心地よかった。
ある日、おじさんに個人的な話を打ち明けた。
それを聞いたおじさんは、さびしそうな笑顔で喜んでくれた。
おじさんの家庭の事は深く知らないのだけど、奥さんがいない、と言うのを聞いたことがある。
独身だからいないのか、
奥さんが他界されたという意味なのか、
離婚されたのか、
何か理由があって別々で暮らしているのか。
特に深く聞いてないので、どうゆう意味で言ったのかわからない。
でもおじさんは少し寂しい気持ちを持っていて、わたしと話をしてみたい、と思って勇気を出して挨拶してくれたのだと思う。
私は今地元に戻ってきていて、たまに電車に乗る時がある。
ふとあのおじさんいるかな、と思う。
もしまた会えたら、今度は私が曇りなきまなこで「おはよ!」って言おうと思う。
だから勝手におはようおじさんと呼んでいる。
※この話はノンフィクションです。妄想ではありません😂笑