所有事業者:伊豆箱根鉄道(静岡)

仕様・用途:観光貸切仕様

登録番号:相模22 か 3713

社番:2227号車

シャシー製造:日産ディーゼル工業

搭載機関:日産ディーゼルRF8型

車体架装:富士重工業伊勢崎

車体型式:富士重15型HD-Ⅰ

車両型式:P-RA53TE

車名:日産ディーゼルスペースアロー

撮影日:1991年8月25日(日曜日)

撮影場所:東京ディズニーランド

 

 

親会社である西武バスの高速路線/貸切仕様車のボディカラーは一部の残存古参車を除いて、「レジェンドブルー」と称する濃い青色にほぼほぼ統一されていますが、子会社/系列会社は相も変わらず旧来の「ライオンズカラー」を纏っています。もはや西武ライオンズのユニフォームは白地に青赤緑のストライプじゃないのに、「そろそろ変えた方が良いのでは・・?」という声も少なくないと聞きます。まぁ、西武ライオンズに限らず、昨今のプロ野球のユニフォームは毎年、いや、毎試合(?)変わっているような錯覚を起こしていますので、そんなに驚きはしないんですが、逆にライオンズには「強かった頃の「ライオンズカラーのユニフォーム」にしなよ」って言いたくなります。

 

さて、撮影当初はまだ鉄道会社直轄だった「いずっぱこ」の貸切バス。ただ、この辺りから新規に参入する、もはね用語で言うところの「オレ流バス」が雨後の竹の子の如く現れた時代とリンクします。さらに、緑色の営業ナンバーであればまだ多少なりとも可愛げがあるんですが、白地の自家用ナンバーでしれっと営業活動を展開しているクズなバス会社が業界全体に悪影響を及ぼしていました。これを憂えた伊豆箱根鉄道は、1989年に中小型車両で貸切事業を展開する「伊豆箱根自動車」を設立し、1995年には貸切の名古屋営業所を分社化して「伊豆箱根観光バス」を設立(1998年には東京営業所が追随)しますが、経営状況の観点からコストを見直す方針に転換し、2006年に路線バスを分社化して、これに伊豆箱根観光バスが合流。新たに「伊豆箱根バス」として再出発します。

 

画像の車ですが、登録番号から1988年頃に新車として導入されたものと思われます。また、ナンバープレートが相模ナンバーであることから、多分、小田原営業所もしくは湯河原営業所に配備されていたのではないかと予想しています。今、湘南地方で活躍するいずっぱこのバスは全て湘南ナンバーとなっていますが、湘南ナンバーが出来る前は相模ナンバーでしたしね。

 

スペースアローの隣には京浜急行のMS7エアロバス、さらにその隣には富士急カラー(富士急本隊ではなくて、グループ会社の御殿場自動車だった記憶あり)のRU6ブルーリボンっぽい車が並んでおり、今ではCIでグループ全体で共通のボディカラーを纏っていますが、この頃はグループといえど、各事業者で独自のカラーリングを施したバスが走り回っていました。また、バスを提供する側も、各メーカーでオリジナルのモデルを競い合ってデリバリーしていた頃が画像からでも如実に物語っている、そんな気がしました。

 

 

【参考文献・引用】

バスラマインターナショナルNo.112

BUSRAMA SPECIAL No.11「UDマークのバス達」

(いずれもぽると出版社 刊)

ウィキペディア(伊豆箱根バス)