EF210の台頭によって、その数を減らしつつあるEF66ですが、既に画像の0番代は建前上、全車鬼籍に入っており、現在残存しているのはJR化後に増備された100番代だけとのこと。その100番代も増備が進むEF210 300によってその職を追われているようで、余命幾ばくもないのかなという気がします。

 

当時としては桁外れのパワーと、「メイド・イン・ジャパン」とは思えない顔貌でスターの素質は十二分に兼ね備えていましたが、今と違って貨物列車がそれほど人気のコンテンツではなかったので、お世辞にも「スター機関車」とは言えず、ブレイクするのはブルートレインを牽引するようになった国鉄末期から。EF81にも同じ事が言えますので、「遅咲きのスター」という形容が当てはまるでしょうか? ブルートレインと電車特急にスポットライトが当たっていた頃は、どうしても昭和の鼻たれ小僧はそっちに視線を注いでいましたからね。

 

画像は東海道本線か山陽本線だと思いますが、これ多分、鮮魚特急列車の返空回送ではないかと思われます。

水揚げされた魚介類は鮮度が命。高速道路網が発達する前、航空機網が発達する前、鮮魚の輸送も鉄道が頼りでした。そのため、国鉄では様々な冷蔵車を製造してきましたが、レサ10000系はその最高峰に君臨します。

10000系貨車といえば、コキ10000形、ワキ10000形、そしてレサ10000形に代表される高速貨車の総称で、空気バネ代車と空気管付き密着自動連結器を備えた貨車のトップスターですが、EF66は事実上、その10000系を牽引するために登場した機関車と言えるかもしれません。

 

10000系の冷蔵車グループは全車、九州の香椎駅常備で、幡生-東京市場間の「とびうお」と、博多港-大阪市場間の「ぎんりん」で本領を発揮、EF66とのコンビで従来の鮮魚輸送より半分に近い時間短縮を実現しました。

大阪や東京へ鮮魚を届けると基本的には御役御免、常備駅の香椎に返されるわけですが、それもまた、鮮魚輸送列車が衰退する要因になったと言われています。客車列車なら帰りも客を乗せれば増収になりますが、貨車はそうはいきません。コンテナなら目的地に到達したら、また別の貨物を載せて帰れば良いんですが。そこが貨物輸送のムズい部分で、自動車輸送と鮮魚輸送は常にこの「返空回送」が付きまといます。でも、鮮魚を載せた状態だろうと、鮮魚が無い返空回送でも、青い(赤い)機関車と白い貨車とのコントラストは「絶妙」の一言に尽きます。

EF66と10000系冷蔵車の組み合わせは今でも大宮の鉄道博物館で見る事が出来ます。

 

牽引するEF66の20号機は、民営化後に試験塗装を施して人気機になりましたよね。

 

 

【画像提供】

ウ様

【参考文献・引用】

ウィキペディア(国鉄レサ10000系貨車)