「似合わねぇ~んだよっ!」

 

いきなりなんなんですが、昨今、JRや第三セクターを含めた私鉄の気動車に往年の国鉄一般型気動車の標準塗色を “復刻” の名の下に、塗り替えている車両を媒体とかで散見しますが、どれもこれも、いや、どいつもこいつも無理繰り感が拭えず、オリジナルを知っている人間からすれば、わざわざ最新の車両に昔のカラーを再現しなくても良いんじゃない? 「復刻感ゼロ」、「ノスタルジック感ゼロ」だもん。JRのキハ40はオリジナルが国鉄一般型気動車標準塗色(首都圏色)だったので、それに塗り替えるのはまだ良いんですよ。でも、首都圏色になる前のクリーム(クリーム4号)と朱色(朱色4号)のツートンカラーに塗り替えるのはよろしくない。

 

 

国鉄一般型気動車標準塗色は国鉄形車両だから似合い、且つ映えるので、こればっかりはセンスの問題なんですけど、言い換えれば昨今のJRや第三セクターを含めた私鉄はセンスがない?

 

話は変わって、画像もまた「国鉄ならでは」なんですが、高速道路網、幹線道路網が整備されていなかった昭和、荷物輸送と郵便輸送も鉄道の重要な任務で、それ専用に造られた車両も多岐に渡っており、電車、客車、そして気動車それぞれに存在します。また、荷物、郵便合造車もありました。電車や客車は幹線で見かけましたが、気動車はどちらかというと、ローカル線で多く見かけ、それがまた良い味を出していました。

 

画像の車両はキハ20系の郵便荷物合造の普通車両、キハユニ26形です。

キハ20系における郵便荷物合造車は北海道用のキハユニ25が最初ですが、キハユニ26はその本州バージョンになります。

キハユニ25と違って、最初から二段上昇式の客室窓、DT22A・TR51Aを履いての落成となっています(キハユニ25は7を除いてバス窓+DT19C・TR49A)。なお、キハ20系の郵便荷物合造車は他にキハ21形を改造したキユニ21やキハ22の一端を郵便荷物室に改造したキハ22 600番代があります。

 

画像のキハユニ26、細かくて見づらいですが、「38」と読めます。キハユニ26 38は昭和37年3月に落成して、長崎機関区(崎サキ)に配備。最終配置は熊本運転所(熊クマ)で、昭和60年に廃車されるまで九州から離れなかったようです。ということは、撮影地も九州のどっかということになりましょうか。キハユニ26の次位はキハ17系で、車体の大きさの違いなどがよく判ります。

 

キハユニ26というと、後々、トミックスでも製品化されましたが、私にとってはやはり関水金属のキハユニ26が印象的ですね。

 

 

【画像提供】

ウ様

【参考文献・引用】

鉄道ピクトリアルNo.994 (電気車研究会社 刊)