所有事業者:近江鉄道(滋賀)

仕様・用途:一般路線仕様

登録番号:滋賀200 か ・109

配置:大津営業所

初年度登録:2001年

シャシー製造:日産ディーゼル工業

搭載機関:日産ディーゼルFE6F型(※)

車体架装:西日本車体工業

車両型式:KK-RM252GAN改

撮影日:2016年8月24日(水曜日)

撮影場所:瀬田駅前

※・・たぶん

 

琵琶湖を抱える滋賀県で一番大きなバス会社が近江鉄道です。

近江鉄道といえば、彦根を中心とした鉄道線も有名ですが、大手私鉄が次々とバス事業を分社化している昨今、バス事業を分けないで展開している鉄道会社は稀有になってきました。

近江鉄道のバス事業は琵琶湖の東岸、いわゆる湖東、湖北、湖南地域に路線バス網を形成しておりますが、どちらかと言えば、県庁のある大津市や滋賀県の “ナンバー2” 的存在の草津市が営業縄張りの中心になります。なお、湖東、湖北地域は子会社の湖国バスが受け持っています。滋賀県は「近江商人」という商いの基礎を築いた場所でもあり、文字通り、堅実な商いが127年という歴史を積み重ねた結果なんでしょうね。でも、近年は鉄道事業に関しては赤字続きで存続を問う声もあります。

 

近江鉄道は早い段階から西武グループに加盟していますが、西武鉄道も近江商人であった堤康次郎が創業させた企業。勿論、近江鉄道も有力な近江商人(と旧彦根藩士)が中心になって創業させました。だから近江鉄道と近江商人は切っても切れない関係にあります。

 

近年の鉄道線用車両はその殆どを親会社の西武鉄道から譲渡しておりますが、バスもまた、グループ会社の西武バスの中古を移籍させるケースが多くなっています。前回も同じようなことを申したと思いますが、西武バスと言えば長年、日産ディーゼルの大ユーザーでした。その関係でグループ会社の伊豆箱根バスや近江鉄道も日産ディーゼルを多く持つ事業者として特筆されます。

 

画像はそんな「おはようからおやすみまで西武色」の濃い近江鉄道にあって、比較的珍しい自社発注の車です。

中型車RMは1999年に平成10年排ガス規制を適合させたモデルを発売しました。

エンジンはインタークーラー付きターボのFE6TA型とNAのFE6F型が設定されましたが、画像の個体はおそらくNAエンジンを搭載しているものと思われます。

観光仕様は「スペースランナー」というペットネームがありますが、この時はまだ路線仕様車にはペットネームは付与されていません。また、富士重工と西日本車体、両方の車体が選べましたが、ノンステップ車は西工のみの設定で、改造車扱いになります。富士重工製ボディは2003年までで、以降は西工に集約されています。

 

2023年現在の近江鉄道バスはどんな車両陣容になっているか判りませんが、今後も自社発注と西武バスからの移籍は継続されるんでしょうね。その時は「レジェンドブルー」に変わっているのだろうか?

 

 

【参考文献・引用】

バスラマインターナショナルNo.125

BUSRAMA SPECIAL11「UDマークのバス達」

(いずれもぽると出版社 刊)

ウィキペディア(近江鉄道、近江商人)