東北本線を行くEF65PF牽引の貨物列車。昭和50年代の撮影かなと思われます。

この時期、EF81も戦列に加わっているにはいるんでしょうし、老兵EF15も最後の活躍をしていると思いますが、東北本線黒磯以南の貨物列車は基本的にはEF65PF、それも1次形~4次形(1001~1049号機)の独壇場になります。

1~4次形は新製配置こそ違えど、段階的に全機が宇都宮運転所に集められ、東北本線、高崎線、上越線で貨物列車の牽引に勤しんでいました。そして「あけぼの」や「北星」といったブルートレインの牽引もこなしましたが、まったく目立ちませんでした。

 

そんなEF65PFですがめっきり数が少なくなりましたねぇ。

昨年10月現在での最古参がJR貨物の2050号機(元、1050号機~5次形のトップナンバー)のようなので、1次形~4次形までは全て鬼籍に入っているということですよね。教材用でJR貨物が1001号機を所有しているようですが、基本的には非公開なので、見る機会はあまりないのかな。

 

私は東海道ブルートレインを牽く東京機関区の7次形(1096~1116号機)がお気に入りで、宇都宮運転所や新鶴見機関区に配備されていたほぼほぼ貨物専用機は今風に言えば「アウト・オブ・ガンチュー」でした。ましてや、画像のようなPS17+スノープラウ付き+前面通風口付きは「EF65じゃないっ!」って拒絶反応を示したくらいですが、その一方で「EF65PFはやはり、PS17パンタやスノープラウを装備しないとPFとは言えない」という少数意見も聞きます。まさに「人それぞれ」ですが、多分、昭和国鉄の時代において「EF65PFといえば?」と、「クイズ!100人に聞きました」と問題が出た場合、過半数の人が「東京機関区配備のブルートレイン牽引機」と答えると思います。

 

その頃はカモレなんてゲテモノ扱いで、貨物列車を趣味のターゲットにする者は変態視されてたくらいですから、誰もカモレを牽引するEF65PFを撮ろうという人は皆無だったんじゃないかって思います。強いて挙げればいわゆる “ヒガハス” 辺りで余命幾ばくもないEF57やEF15を撮る人が偶々居合わせたEF65PFを「しゃーないな」とばかりにレンズを向けた・・そんな感覚だったと思います。今から考えたら、贅沢この上ない話ですけどね。

 

大人になって思うことですが、東北・上越筋で活躍した ”目立たない“ PFはどっしりと構えた重厚感たっぷりの機関車だなと。

人間の男もそうですが、何事にも動じず、「どんとこいっ!」と構えるタイプの方が好かれるのかもしれませんね。

 

 

【画像提供】

は様

【参考文献・引用】

鉄道ファンNo.285(交友社 刊)

季刊j train Vol.88 (イカロス出版社 刊)