これは、名古屋の 「リニア・鉄道館」 に展示してある、新幹線100系の食堂車 (168形) の室内です。
こちらの画像は2012年に撮ったもので、何もない、殺風景な食堂内でしたが・・・、
こちらは昨年撮ったもの。
いつからかは判らないのですが、テーブルには配膳がなされました。
で、こちらは0系の食堂車 (36形) かな?
やっぱり2012年当時は何もありません。
0系の場合は場所によって配膳がされているテーブルとされてないテーブルとで分かれていますが、0系にしても100系にしても、配膳がある無いでは食堂車のアイデンティティがハッキリとしますよね。
供されている料理は勿論、サンプルですけど、世の中、好むとか好まざるとかそれぞれの思い入れや拘りがあって、それはそれで良いんですが、やっぱり食堂車はこうでなくちゃね。
「北斗星」 や 「カシオペア」 などで供される、フランス料理のフルコースも和食御膳も良いよ。でも、ハンバーグとかスパゲティミートソースのように、 “テーブルマナー” 等々を気にせずに、気取らず和気藹々と “夕餉のひととき” を楽しみたいのなら、私は断然、後者を選びますよ。
中には、 「食堂車の料理は高くて不味い」 と文句ばかりたれる輩もいるけど、例えそれがレンチンであろうと、揺れる車内でコックさんが腕を振るって暖かい食事を提供しているのだから、いちいち文句言うなっつうの。食堂車のスタッフはかなりの重労働だと聞いたことがあります。それを思えば、文句なんて言えないはず。
国鉄末期における新幹線の食堂車は、4社が参入しており、うち2社がホテル系列でした。
その頃で一番高かったのが、サーロインステーキ定食だったそうで、当時のレートで3,500円。他にもとんかつ定食 (同1,500円) 、ビーフシチュー定食 (同2,000円) 、うなぎ定食 (同1,600円) などもありました。どれも10%の税が加算されますが、消費税じゃありません。
100系の場合は、ウナギの釜飯 (当時のレートで1,000円) 、カレーライスセット (同900円) 、ハンバーグランチ (同900円) 、中華ランチセット (同1,000円) などがありました。100系はね、食堂車が二階建てだったので、その眺望ときたら、今の列車の比じゃないですよね。
私も一度、いや、二度か、食堂車を利用したことがあります。
上野-金沢間の特急 「白山」 で、往復食堂車を利用しました。あれが最初で最後か。
往路はサンドイッチで、復路はカレーライスでしたけど、不味くなかったのは覚えています。
もし今、食堂車があったとしたら、やっぱりファミレス系が参入するのかな?
食堂車ではないけど、供食サービスを売り物にする列車もありますし、駅弁もそれなりに人気があります。でも私はそれらは支持しないし、利用しようとも思いません。駅弁を食うくらいだったら、コンビニで何か買います。まぁ、結局はそうなっちゃうんですよね。 「一頃に比べて駅弁も美味くなったよ・・」 っていう話も聞きますけど、昔のトラウマがあって、どうしても駅弁は好きになれません。何よりも駅弁とて料理ですからほっかほかでないと・・・。
新幹線の食堂車は100系までで、以降は食堂車はラインナップに加えられなかったばかりでなく、100系も程なくして室内をコンビニみたいにした 「カフェテリア」 に改造されてしまいました。必要だとは思うんだけど、東京-博多間5時間じゃ、要らないか。
日本の鉄道は、スピードと引き換えに、 「旅を楽しむ」 権利を奪い取ってしまいました。
【参考文献・引用】
鉄道ジャーナル別冊 「列車追跡リバイバル 懐かしの国鉄列車 Part.2」
同 「懐かしの国鉄現場」
(鉄道ジャーナル社 刊)