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“昭和の営団地下鉄銀座線” を象徴するビジュアルは数あれど、これもまた、 “古き良き時代” の銀座線のイメージを色濃く残すビジュアルの一つではないかと思います。どの編成にも1~2両はくっついていた旧型の車両。敢えて準えれば、103系の編成に旧国サハ78が組み込まれているようなもの。得をしたか損をしたかは、乗った人それぞれの判断に委ねるしかないのですが、わざわざこの車両を選んで乗るのであれば、相当な “通” だと思います。当時はそんな有り難みなんて、判らないからね。

画像の車両は車番を見ないと何とも言えませんが、1200形か1300形かの何れかです。2番線でありながら、その先の駅がずらっと並んで案内してる看板から、浅草駅で撮影したのではと思われます。
1200形は1933年、1300形は1949年にそれぞれ登場していますが、とりわけ1200形は昭和50年代においては営団最古参の車両でした。
どちらも元々は電動車だったんですが、1500形 (1500N形) が登場した1968年に電装解除されて付随車になりました。

1983年に次世代車両の01系が登場すると、それまでの車両は淘汰されるようになり、特に1200~1900形は老朽化も手伝って1987年までに全廃されまして、残った2000形と1500N形で編成を組むようになりました。

2000形を取り上げた時もお話ししましたが、この頃の銀座線はやっぱり “あれ” を袖に通すわけにはいきません。
電車が駅に到着する寸前、一瞬ではありますが、車内の照明が消えるんですよね。これはいわゆる “デッドセクション” の一種で、第三軌条方式を採用している銀座線ならではの “至芸” でした。
集電用の 「サードレール」 の位置が駅構内で変わることに起因する現象なんですが、21世紀では通用しないかもしれませんね。一瞬なんで、相当な名人芸でないと為し得ないとは思いますけど、 「瞬間痴漢」 や 「瞬間スリ」 も有り得ります。そうだよね、室内灯が消えるのは防犯上、良くないことですよね。

あの当時は何も考えずに乗っていましたけど、調べれば調べるほど、 “昭和銀座線” の奥深さは止めどないみたいです。

【画像提供】
ヤ様
【参考文献・引用】
営団地下鉄車両写真集 (交通新聞社 刊)