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所有事業者:岐阜乗合自動車 (岐阜)

仕様・用途:観光貸切仕様

愛称:DYNASTY SALOON

登録番号:岐阜22 き ・550

初年度登録:1992年 (※)

シャシーメーカー:三菱自動車工業

搭載エンジン:三菱8DC11型

車体架装:三菱自工名古屋

車両型式:U-MS729S改

車名:三菱ふそうエアロクィーン・MV

撮影日:1992年4月29日 (水曜日)

撮影場所:東京ディズニーランド

※・・たぶん


このコーナーで幾度もお伝えしているように、私は大のMS7エアロバス好き。特にエアロクィーンシリーズがお気に入りなんですが、野暮ではあるものの、順位で表すと・・・
1位:エアロクィーン・W
2位:エアロクィーン・MV
3位:スーパーエアロタイプⅡ
4位:エアロクィーン・M
5位:スーパーエアロタイプⅠ
6位:エアロクィーン・K
7位:エアロクィーン・KⅡ
となります。スーパーエアロは厳密に言えばエアロクィーンではありませんが、スーパーエアロの成功があって、エアロクィーンはシリーズ化されたし、ヒットもした。だからMS8もMS9もそしてMS0のエアロクィーンは、スーパーエアロに足を向けて寝られないのです。エアロクィーン・Kが最下位なのは、当時の私は同じエアロシリーズでも呉羽ボディを架装した車には拒絶反応を示していたからで、 「何で、MU5よりも先に “エアロクィーン” を名乗ったっ!?」 と憤慨していました。今ではエアロクィーン・Kも大好きになりましたけどね。と言いますか、すっかり見なくなってしまいましたが。

さて、あれは1989年でしたか、バス業界やコアなバスマニアにしてみれば 「出るべくして出た」 的な出来事だったんでしょうけど、私にしてみれば、まさに 「彗星の如く現れたっ!」 という感覚だったエアロクィーン・MV。 「名古屋製作所 (大江工場) 製の低運転台仕様」 と言うべきか、はたまた 「エアロクィーン・Kの名古屋バージョン」 と言うべきかは、個々の判断に委ねますが、名古屋ボディLOVEだった私は、とにかくAQMVに惚れ込みました。
当時の私の勝手な解釈ですけど、AQMが高速専用、AQMVが貸切専用というイメージを持っていました。勿論、AQMにも貸切仕様車はありましたが、あの頃は 「第一次高速路線バス開業ブーム」 。運行開始される高速路線バスのその大半にAQMが導入されていたので、そういうイメージが出来上がってしまったのかもしれません。今ではジェイ・バス連立与党にやられっぱなしですが、1980年代後半から1990年代にかけては、ふそうが単独過半数で与党を形成していました。AQMVは貸切仕様の本命としての位置づけだったといっても過言ではありません。その証しに、当時はAQMVが新車で高速路線仕様に充当されたという話は聞かなかったなぁ~ (後々、貸切から高速路線に転用した例は数多ありますが) 。

画像は、岐阜乗合自動車 (岐阜バス) が所有する 「DYNASTY SALOON (ダイナスティ・サルーン) 」 です。
岐阜バスがAQMVを導入したのは1990年で、 「DYNASTY」 と命名されました。
てっきりフラッグシップ車として採用されるのかと思いきや、50人/55人乗りの汎用車で、1990年に17台、1991年に14台、1992年に5台、1993年に6台の合計42台という大所帯になりました。当時の岐阜バスのフラッグシップはAQMを使った 「RED KING」 でしたが、個人的には、 「AQMVの方が、AQMよりも上のような気がするんだけどなぁ」 と思っていました。因みに、AQMにも汎用車があり、それは 「RED QUEEN G」 と名乗っています。この 「RED QUEEN G」 は、 「今日の1枚」 のNo.220で登場しています。

1992年、 「DYNASTY」 の後部をサロンにした 「DYNASTY SALOON」 が3台採用されました。サロンにならない 「DYNASTY」 に比べたら、こっちの方が幾分、豪華仕様なのかもしれませんが (定員も48人と少なめだし) 、どっちにしても岐阜バスのAQMVは汎用性を重視した位置づけだったようです。そんなわけで、画像の車も1992年式ではないかと思われますが、撮影日は同年4月29日。つまり、撮影当時は導入されたばかりの真新車であることが判ります。因みに、私が初めて岐阜バスのAQMVを見たのは、1990年5月6日でした。おそらく 「DYNASTY」 だったとは思うんですけど ( 「岐阜22 き ・302」 の登録番号を持つ個体) 、同時に私が初めて見たAQMVでもありました。しかし生憎、バスとバスの間に挟まれた格好で留まっており、前しか撮れなかった苦い思い出があります。 「DYNASTY SALOON」 はそのリベンジということになります。当時としては快心の1枚で、翌年の年賀状にも使いましたから。

「DYNASTY」 はその後、2台が 「RED KING」 に、5台が高速路線仕様にそれぞれ改造されました。 「RED KING」 への改造は、スーパーエアロを置き換えるのが目的かな?
そして1992年に 「AQMVは汎用性重視」 という固定観念を打ち破る画期的な車がAQMVを用いて誕生しました。それが 「KINGDOM」 という車です。
36人乗りで全席回転シートを採用、さらにそのシートは140度近くもリクライニングするスグレモノで、天井にはシャンデリアが備えられるなど、汎用車から一躍、フラッグシップに躍り出ました。そうですよっ! そうこなくっちゃっ!

個性豊かな仕様の車が犇めいていた岐阜バスもいつしか、フラッグシップは数少なくなり、汎用車が目立つようになったんですが、3年前の2015年に久々に 「これぞフラッグシップっ!」 と呼べる車を導入しました。MS9 (QTG-MS96VP) をベースにした 「Emperor (エンペラー) 」 です。
岐阜バス伝統の赤一色のカラーを捨て、白地に赤とゴールドのストライプを配して、2+1列の23人乗り。フットレストやレッグレスト、パウダールームも備わっています。さらに2018年には増備車の 「Emperor Ⅱ」 も導入され (2TG-MS06VP) 、こちらは2台導入なので、 「Emperor」 は3台体制となりました。いつか、撮りたいですね。

とは言うものの、やっぱりMS7全盛の岐阜バスが一番元気だった時代だったのかな? どうですか? トラベルキングさん。


【参考文献・引用 (全面的に) 】
ヤフーブログ 「トラベルキングの旅行記」


( 「今日の1枚」 アーカイブス)
岐阜バス 「RED QUEEN G」 についてはこちらを
http://blogs.yahoo.co.jp/mohane5812001/52840204.html