事業者名:西日本鉄道(福岡)
仕様・用途:都市間夜行高速路線仕様(高速「ムーンライト」号に充当)
登録番号:福岡200 か 2930
社番:4852号車
配置:博多営業所
初年度登録:2014年式
シャシーメーカー:三菱ふそうトラック・バス
搭載エンジン:三菱6R10(T4)型
ボディ架装:三菱ふそうバス製造
車両型式:QRG-MS96VP
車名:三菱ふそうエアロクィーン・ハイウェイライナー
撮影日:2017年3月18日(土曜日)
撮影場所:新大阪・阪急高速バスターミナル
国内最高水準のホスピタリティを持つ夜行高速路線バス 「ドリームスリーパー」 の登場で湧いている一方で、また一つ、 “伝説” が消えようとしています。
既に、プレスリリースで告知していますのでご存じの方も多いかと思いますが、今年の3月31日を以て、大阪-福岡間の夜行高速路線バス 「ムーンライト」 号が運行休止になります。西鉄の 「ムーンライト」 については、過去に 「今日の1枚」 のNo.361で取り上げていますが、車が違うだけで、内容的にはNo.361と重複してしまいます。でも、あらためてその功績を振り返りたいと思います。
既に、プレスリリースで告知していますのでご存じの方も多いかと思いますが、今年の3月31日を以て、大阪-福岡間の夜行高速路線バス 「ムーンライト」 号が運行休止になります。西鉄の 「ムーンライト」 については、過去に 「今日の1枚」 のNo.361で取り上げていますが、車が違うだけで、内容的にはNo.361と重複してしまいます。でも、あらためてその功績を振り返りたいと思います。
運行開始から34年、よくもまあ、突っ走ってきたなと。
今では新幹線と航空機が圧倒的シェアを集めている中で、 「ムーンライト」 はいつ廃止になってもおかしくない状況にあったのは否めません。しかし、関西対九州の国鉄夜行列車が絶滅した昨今、夜行移動といえばこの 「ムーンライト」 しか選択肢が無く、早くから大阪や福岡で活動したいという人に支持され続けてきました。ただ、大阪から福岡に行く場合、下り1番列車の 「みずほ601号」 と 前夜大阪を発った 「ムーンライト」 の福岡到着がほぼ同時刻であることから ( 「みずほ601号」 の博多到着は8時28分、 「ムーンライト」 の福岡 (天神) 着が8時20分) 、正直、 「ムーンライト」 のアイデンティティは薄れたかなという感じがします。航空機なら尚更でしょう。
今では新幹線と航空機が圧倒的シェアを集めている中で、 「ムーンライト」 はいつ廃止になってもおかしくない状況にあったのは否めません。しかし、関西対九州の国鉄夜行列車が絶滅した昨今、夜行移動といえばこの 「ムーンライト」 しか選択肢が無く、早くから大阪や福岡で活動したいという人に支持され続けてきました。ただ、大阪から福岡に行く場合、下り1番列車の 「みずほ601号」 と 前夜大阪を発った 「ムーンライト」 の福岡到着がほぼ同時刻であることから ( 「みずほ601号」 の博多到着は8時28分、 「ムーンライト」 の福岡 (天神) 着が8時20分) 、正直、 「ムーンライト」 のアイデンティティは薄れたかなという感じがします。航空機なら尚更でしょう。
しかし、それ以上に 「ムーンライト」 が築いた夜行高速路線バスの運行システムスタイルは絶大なるものがあり、このシステムの発想が無ければ、今日の夜行高速路線バス網は有り得なかったと思います。無論、国鉄バス (→JRバス) の 「ドリーム号」 の存在も忘れてはなりませんが、複数の事業者によって運行される 「共同運行方式」 や、運賃収入を一旦プールして、走行距離に応じて事業者に配分する 「プール精算方式」 、そして 「独立3列シート」 を採用したのは 「ムーンライト」 が最初であって、このシステムを発展させて現在の夜行高速路線バスシステムが構築されています。さらに、1986年に運行を開始した 「ノクターン」 は、それまで大都市部と大都市部を結ぶ例が多かった中で、初めて大都市と地方都市を結んだことが大きな反響を呼び、埋もれていた潜在需要をさらに引き起こすことになります。加えて、国鉄 (JR) の夜行列車の運賃がかなり高かったことが追い風となり、夜行高速路線バスは1980年代後半に大ブレイクして、一大ムーブメントを巻き起こすことになります。今の夜行高速路線バスの隆盛は、全てこの 「ムーンライト」 と 「ノクターン」 によってもたらされたものであり、その一翼が今回、運行休止 (事実上の廃止でしょう) となるのは、夜行高速路線バスにとって大きな衝撃となるのではないでしょうか。
一部では、 「夜行高速路線バスはもはや斜陽化?」 という論をする向きもありますが、それだけ、事業といいますか、ビジネスが肥大化してしまったんですね。競争 (狂騒) の中でどんどんと低価格化されていき、既存の運行便も新参便に負けじと安くせざるを得なくなり、しかしその一方で 「安かろう悪かろう」 という感じで、ホスピタリティは低下していきました。安全の面でも同じで、あってはならない事故もよく耳にします。それに風穴を開けようとしているのが、今年運行したばかりの 「ドリームスリーパー」 ではないかと思います。 「ムーンライト」 では1989年だったか、1990年だったかに、 「スリーピングシート」 なる殆どフルフラットのシートを採用したことも話題になりましたが、西鉄は現代に通じる夜行高速路線バスビジネスの先駆者として、常に 「目的地まで如何に安眠出来るか」 を課題に挙げていました。
「ノクターン」 も安定した需要を持っていますけど、何か 「もうちょっと」 と要望したくなるんですよね。ソフトにしてもハードにしても。 「ムーンライト」 の運行休止がどのような影響をもたらすのか、ちょっとだけ注目したいと思います。
いずれにしても、 「ムーンライト」 に対しては、 「34年間、ありがとう」 と声高に言いたいですね。それじゃあ、 「葬式鉄」 と一緒になっちゃいますけど・・・。
【参考文献・引用】
西日本鉄道公式ホームページ
高速バス時刻表 2016~17冬春号 (交通新聞社 刊)
年鑑バスラマ2014→2015 (ぽると出版社 刊)
西日本鉄道公式ホームページ
高速バス時刻表 2016~17冬春号 (交通新聞社 刊)
年鑑バスラマ2014→2015 (ぽると出版社 刊)