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以前、ランボルギーニ・カウンタックに憧れていた (今も憧れてますよ) とお伝えしたことがありましたが、日本車ではやっぱりこれかな。5代目のスカイライン、通称 「ジャパン」 。ハコスカ、ケンメリなど、伝説を作り上げた先代車無き後のプレッシャーを撥ね除けて、力業でライバル車を蹴落とした実力から、C10 (ハコスカ) 、C110 (ケンメリ) とR30に挟まって幾分目立たないけど、 “違いが解る” コアなスカイライン信者から熱い支持を受けています。でも、それは後期型に限ってのことですけどね・・・。

1977年、C110型モデル、通称 「ケンメリ」 の後を受け継いで発売が開始されたジャパン (C210型) ですが、いわゆる 「オイルショック」 の煽りを受けて、まともなスポーツモデルは当時、設定されず、SOHCのL型エンジンのみの設定でした。故に、ライバル車 (トヨタ・セリカ) から 「名ばかりのGTは道を空ける」 と揶揄されて、置いてきぼりにされてしまいました。

1979年にマイナーチェンジが実施されて、ヘッドライトが角目二灯になるなど、フロントの意匠が変更されますが、それでもまだスポーツモデルの発売は見送られました。L型エンジンはスポーツエンジンでは無いので、DOHCに比べるとどうしても非力さは否めず、どうすればライバル車との差を埋めることが出来るか、日産は頭を抱えていました。
丁度その頃、5代目のセドリック/グロリア (430型) にターボエンジン搭載車を設定しますが、これが日本車における初のターボエンジン搭載車となりました。セドリック/グロリアもL型エンジン搭載でしたが、これにターボで武装することによって、SOHCながらDOHCに匹敵するパワーを叩き出し、SOHCでも十分闘えると日産は確信しました。 「このターボエンジンをスカイラインに・・」 という声が高まりますが、一方でスカイライン信者から 「スカイラインのスポーツモデルはあくまでもDOHC搭載車でないとダメ」 と拒否反応を示し、日産も慎重な姿勢を崩しませんでした。しかし、スカイラインのアイデンティティがどんどん低下していくのが販売実績からも読み取れ、危機を感じた日産は、ついに “力業” ターボの装着を決定し、1980年4月にターボ搭載車を発売します。

このL20ET型エンジンは、L20E型をベースにしていますが、ターボによってNAよりも15馬力ほどアップしており、最大出力は145ps/5600rpmを叩き出しました。
これで、どうにかライバル車との差を縮めることが出来、 「スカイラインは息を吹き返した」 と好評を持って迎え入れられました。しかし、ファンが最後まで望んでいたDOHCエンジンの搭載は見送られ、次のR30型まで待つことになります。

このジャパンをさらに有名にしたのが、ドラマ 「西部警察」 における警察車両での起用でしょう。
「西部警察」 では、他の所轄署には配備されない、特殊車両が何台か配備されていましたが、その先駆けになったのが、ジャパンをベースにしたスーパーマシン、 「マシンX」 になります。マイクロコンピューターなど52種類の特殊装備を搭載しているという設定ですが、後々、実際の警察でもこのような装備を搭載した車両が活躍することになるので、 「西部警察」 は劇中ながらそれを先取りした格好になります。
番組登場当時は、桐生刑事 (加納竜) や松田刑事 (寺尾聰) なども乗っていましたが、気がついたら大門部長刑事 (渡哲也) がほぼ独占して運転するケースが目立ち、故に 「初代団長専用車両」 と言われるようになるのです。
マシンXは、 「西部警察パート2」 の第14話まで活躍し、以降は警視庁の倉庫に保管されるという設定になっていましたが、 「パート3」 の第47話で犯人によって盗まれてしまい、最終的に犯人が社内に仕掛けた爆弾によって爆破されてしまいます。
爆破された車両は実は “影武者” で、エンケイのアルミホイールやビデオカメラ装着などいくつかの差異が見られます (実際のマシンXは、ホイールがカンパニョーロで、ビデオカメラではなくて普通のスチールカメラ) 。
これ以外にも撮影用に数台が用意されたとされていましたが、そのうちの1台 (しかも日産によって納入したメインの劇用車) が3年前に現存していることが分かりました。石原プロモーションの倉庫でカバーを掛けられていた状態で保管されていたことが判ったのですが、以降、レストア作業を行い、現在でも機会があれば、その姿を見ることが出来ます。

私が “憧れ” としたのは、やっぱりではありますが、この 「マシンX」 の影響が大で、そのせいか、同じジャパンでも2ドアハードトップで外板塗色は黒、ボディ側面にはゴールドのストライプが入った仕様が特にお気に入りでした。黒で無くても、2ドアHTで、側面ストライプ入りならそれはそれで支持しました。なお、内装重視のツーリングインターナショナル (TI) はお気に召しません。
免許を取ったらいつかは乗りたいと思っていました。その際は、屋根上 (いや、ダッシュボード上でしょう) にパトライトを乗っけて、レイバンのティアドロップサングラスを身につけ、そしてレミントンのM31ショットガンを片手に街中をブッ飛ばしたかったです。それが当時 (小学生でしたが) の夢でした。後年、アルテッツァを買った際、注文時にオプションのエンジンスタートスイッチを取り付けましたが、あれは完全にマシンXの影響によるものです。

今回撮らせてもらった個体は3ナンバーでしたけど、L28でも積んでいるのかな?
それと履かせているホイールがRSワタナベと、それはそれでなかなか良い感じだなって思いました。カンパニョーロならもっと良かったかなって。

ジャパンのオーナー様、勝手に撮ってしまい、この場を借りてお詫び申し上げます。と同時に、ありがとうございました。末永く保有されることを切に願います。