イメージ 1

事業者名:静岡観光バス(静岡)

仕様・用途:観光貸切仕様

登録番号:静岡22 え ・・59

シャシーメーカー:三菱自動車工業

搭載エンジン:三菱6D16型

ボディ架装:新呉羽自工

車両型式:P-MJ527FX

車名:三菱ふそうエアロミディMJエクシード

撮影日:1989年7月30日(日曜日)

撮影場所:浜松町バスターミナル


「今日の1枚」 では珍しい、エアロミディの登場です。
ふそうの中小型バスは1960年代からラインナップに加えられていますが、エアロシリーズに加わったのは1985年 (1985年?) からになります。その時 「エアロミディ」 という名が冠せられましたが、その当時はまだ、いわゆるサンシャインデッカのボディに準拠したスタイルでした。
1988年に中小型バスのボディスタイルが一新され、MS7エアロバスの流れを汲む流麗なボディになり、エアロシリーズの名に恥じないスタイルとなりまして、同時期にハイデッカーもモデルチェンジが実施されて 「エアロバス・K」 となったのは皆さんもご存じのはず。
エアロミディMJは、元々はMKの派生モデルで、MK126がその嚆矢になりますが、前述のボディ一新とともに、MKから独立して 「エアロミディMJ」 となりました。不確かな記憶を手繰り寄せているのですが、その上級モデルが 「エクシード」 になり、型番の末尾に “X” が冠せられたんじゃなかったかな? 間違っていたら訂正します。

それこそ、三菱支持者でも呉羽ボディは全くの 「アウト・オブ・ガンチュー」 だった私は、いくらふそうと言えど、呉羽の旧ボディは全く撮る気がなかったのですが (エアロクィーン・Kやエアロスター・Kも) 、画像の新ボディになってからその考え方が変わり、エアロバス・Kの登場によって呉羽も三菱車として認める (?) ようになりました。でもやっぱり、大江工場製ボディ架装車に心酔していたのは言うまでもありませんけどね。

画像の静岡観光バスは、静岡鉄道の子会社で、静鉄の貸切部門を請け負っていました。本隊の静岡鉄道にも貸切車はありましたが、代数的には静岡観光バスの方が多かったんじゃないかと記憶しています。さらに系列の貸切事業者に清水交通がありました。
未曾有の好景気の中で、小規模な団体旅行も多くなっていた背景から、中小口需要の拡大を図るべく、1990年に静鉄小型バス (株) を設立しますが (営業開始は1991年) 、バブル景気崩壊後の貸切需要の流動化によって業界再編が加速し、静鉄も貸切事業を一本化するべく、2000年に静岡鉄道と静岡に本拠地を置く物流会社との共同出資によって静鉄ジョイステップバス (株) を発足し、静岡観光バスと清水交通を合併させて2001年から営業を始めました。2011年には静鉄小型バスが静鉄ジョイステップバスを合併して、新生静鉄ジョイステップバスが発足しました。

静鉄グループは基本的に三菱を代々導入していましたが、清水交通はいすゞ車が中心でした。初期の静鉄ジョイステップバスのいすゞ車は清水交通からの転入車であることが判ります。なお、路線事業を引き継いだしずてつジャストラインにも貸切車はありますが、この辺の線引きがイマイチよく判っていないのが実状と言えます。それは旧静岡鉄道と旧静岡観光バスとの関係にも当てはまりますが、そういう意味では路線と貸切の完全分断は必要なのかなという気がします。


【参考文献・引用】
静鉄ジョイステップバス公式ホームページ
バスラマインターナショナル No.147 (ぽると出版社 刊)
ウィキペディア (静鉄ジョイステップバス、三菱ふそうエアロミディMJ、静岡鉄道、鈴与)