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事業者名:京都市交通局(京都)

仕様・用途:一般路線仕様

登録番号:京都200 か 3183

局番:3183号車

配置:横大路営業所

初年度登録:2016年式

シャシーメーカー:いすゞ自動車

エンジン型式:いすゞ4HK1-TCS型

ボディ架装:ジェイ・バス宇都宮

車両型式:QDG-LV290N1

車名:いすゞエルガ

撮影日:2016年8月25日(木曜日)

撮影場所:京都駅烏丸口


毎年恒例の “関西外遊” では、大阪をキーステーションに京都や神戸を訪れることがお約束になっていますが、京都を訪れて先ず驚くのがバスの多さ。そりゃあ、東京や大阪もバスの数は多いけど、京都は京都駅周辺以外は鉄道網ってそんなに発達していないので、必然的にバス路線網が発達し、京都駅には夥しい数のバスがひっきりなしに発着しています。特に “京都市バス” こと、京都市交通局の緑色のバスが目立ちます。京都駅には市バスの他に、京都バスや京阪バス (京阪京都交通) 、JRバスも乗り入れますが、営業縄張りの関係でしょうか、市バスの比ではありません。

さて、京都市バスは世界的観光地を営業エリアに持っているにもかかわらず、道路の渋滞や地下鉄の開業などによって採算がとれず、赤字は増える一方。ついに 「健全経営化団体」 に指定されてしまい、財政再建と抜本的な事業改善を迫られることになります。追い打ちをかけるように、タクシーのMKが東山地区を中心としたエリアに路線バスを運行することを発表し、これで目覚めたかどうかは定かではありませんが、長年の健全経営が実を結び、2003年には18億円の黒字を計上するまでに復活しました。2012年度の決算では目標より早く 「健全経営化団体」 から脱却し、2014年には累積赤字も無くなりました。

京都市バスではその2014年から相次いでダイヤ改正を実施して、より利便性を追求した使い勝手の良い市バスの運行を実現させていますが、そのために市電廃止以来という大幅な車両の増備やそれに伴う路線網の拡充、そして運行本数の増加を図っていきました。そして2016年4月に実施された新ダイヤでは、京都鉄道博物館のオープンによって梅小路地区のアクセスを強化するため、京都や河原町など鉄道の駅を擁する地区から梅小路への路線の新設や増発を実施しました。次いで、南口 (八条口のこと?) 広場の整備でバス乗り場を移設してそこに集約化しました。そして地域モビリティ・マネジメント (MM) と一体化した路線網の拡充も実施され、太秦地区や伏見地区などでも新路線の運行や既路線の拡充などが図られました。
それと、ただでさえ死ぬほど暑い京都。バスを待つ人への少しばかりの癒やしにと、バス乗り場にはミストを導入しましたが、ハッキリ言って全く効果はありませんでした。それから、バスの案内係。若い人もいるようですが、見た感じ、第一線を退いたオッサンが目立っていましたけど、運が悪かったのか、もの凄い上から目線のジジィで、カチンとくる場面が二、三ありました。これが若い娘っこだったらな・・・。

このような 「攻めの営業」 を展開するべく、2016年度は47両の新車を導入して各営業所に配置させていますが、画像の3183号車もその中の1台です。京都市バス初の新型エルガです。
このエルガを始めとして、今回の撮影では京都市バスを何台か撮りましたが、京都市バスではいくつかの特徴的な仕様があるようですね。
一つ目は、このご時世に、全ての車両が今だに方向幕を採用している点。一部の車両にLED幕車が存在するようですが、今年度採用の新型エルガでさえ、巻き取り式方向幕を採用しています。フルカラーLEDの方向幕も普及しつつある昨今、特に系統や行く先、ラインカラーの導入など、様々なバリエーションが求められる方向幕にあって、フルカラーLEDはそれに応え得るアイテムだと思うのですが、京都市バスは頑なに巻き取り式方向幕に拘っていますね。
もう一つは、セーフティーウィンドウの採用。純正車体でセーフティーウィンドウを採用しているのは少数派ですが、仕様が無くても、特注でセーフティーウインドウを付けるなんざぁ、ある意味 「京都市バス仕様」 なんでしょうね。
セーフティーウィンドウを標準化したのはいつ頃なのかは定かではありませんが、割りと古くから存在したようです。

この新車の導入で、いかにも “京都市バス” っぽい従来のツーステップ車はもはや風前の灯火で、遅かれ早かれ退役は時間の問題でしょう。撮るならお早めにといったところでしょうか・・・。


【参考文献・引用】
バスラマインターナショナル No.145、157
BUSRAMA EXPRESS No.13 「いすゞ新型エルガ誕生!」
(いずれもぽると出版社 刊)
ウィキペディア (京都市営バス)
京都市バスを扱った各サイト