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事業者名:京浜急行電鉄(東京)

使用・用途:貸切兼夜行高速予備車仕様

愛称:EXE29

登録番号:品川22 か 4026

社番:S5905号車

配属:観光バスセンター

初年度登録:1989年式

シャシーメーカー:三菱自動車工業

エンジン型式:三菱8DC11型

ボディ架装:三菱自工名古屋

車両型式:P-MS729SA

車名:三菱ふそうエアロクィーン・M

撮影日:1989年7月30日(日曜日)

撮影場所:京浜急行観光バスセンター


1986年に運行を開始した夜行高速路線バス 「ノクターン」 号は今年、運行開始から30年を向かえます。 「大都市から大都市へ」 という図式を打ち破り、 「大都市と地方都市をダイレクトに結ぶ」 というコンセプトは大当たり。後々の夜行高速路線バスブームの足がかりともなり、一つのケーススタディとなりました。青森県に限ると、産業の中心は青森市よりも八戸市や弘前市の方であり、その時も 「津軽」 や 「八甲田」 といったリーズナブルな急行列車も運転はされていましたけど、利用者は夜行列車よりもさらにリーズナブルな 「ノクターン」 に傾倒するようになります。
「ノクターン」 の盛況は盆暮れだけでなく、土休日だけでなく、平日にも及んでいたから京浜急行も弘南バスもびつくり。他のバス事業者も「こんなに潜在需要があったんだ・・」 とあらためて夜行高速バスの将来性に期待度を高めて、次々に開業させていきます。

専用車だけでは足りずに、貸切車を応援に派遣するなど、毎夜4~5台体制で対応していた 「ノクターン」 ですが、1987年に貸切車の新たなフラッグシップが登場します。それが 「エグゼクティブ・サルーン」 でした。三菱ふそうスーパーエアロをベースに、1+2列の変則3列シートとトイレを装備、オフシーズンには貸切車として活動し、オンシーズンには夜行バスの続行便として通常便をフォローする二刀流のバスでした。
「エグゼクティブ・サルーン」 は好評でしたが、1台しか無いので、その他の続行便はいつもの貸切車が充てられることになります。そこで京浜急行は1989年に 「エグゼクティブ・サルーン」 を4台増備しました。それが画像の 「EXE29」「EXE34」 になります。

「EXE29」 は29人乗りの3列シートで、 「EXE34」 は34人乗りの4列シートでした。いずれもトイレが標準装備されています。因みにこの 「EXE」 が京急最初のエアロクィーン・Mとなります (たぶん) 。
「EXE34」 は4列シートではありますが、定員を少なくしてその分、シートピッチを拡げて、実際に夜行高速路線バスに充当する際はゆったりと出来るように設計されています。室内も撮らせてもらったことがありますが、フットレストとかレッグレストとか装備されてたかなぁ~?

私が最初にAQMの 「EXE」 を見た時、ちょうど新車として導入された直後のことでした。 「EXE34」 だったのですが、その時、たまたま先代の 「EXE」 がいたので、初めて邂逅だったので、新車よりも先代の方に興奮し、鼻からドレインを出しながら撮った記憶があります。時に1989年4月のこと。 「 “エグゼ” が2台増備されてて、おまけにそれらは全てクィーン・M・・」 と当時の日記には記されているので、その時も34と29はいたんでしょうね。

29を初めて撮ったのが画像の日でした。
今は羽田京急バスの東京営業所となっているようですが、当時は貸切車や高速路線バスを受け持つ観光バスセンターでした。現地についてさぁ、事務所に行って許可を・・と思ったら、バケツをひっくり返したのかと思うほどの大夕立ち。今で言えば “ゲリラ豪雨” でしょうか。その大雨も10~15分ほどでピタリと止んだので、気持ちを切り替えて撮影しました。だから、画像を見ると路面がウェットでしょ。今だったら、デジカメで様々な角度から撮るんでしょうけど、フィルムが勿体ないので、慎重に撮ったのを覚えています。その後も34は何回か撮ったんですが、29は後にも先にもこの1枚だけになってしまいました。

この 「EXE29」 は後に、京急の高速路線バスカラーに塗り替えられて 「ラ・フォーレ」 号の専用車になったとかならなかったとかいう風の便りを聞いたことがありました。

この旧観光バスセンターは、敷地がかなり狭隘で、お世辞にも完璧な撮影は難しい場所だったんですけど、訪れる度に違う車が出迎えてくれるので、全然飽きませんでしたね。


【参考文献・引用】
ウィキペディア (羽田京急バス東京営業所、京浜急行バス羽田営業所)