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事業者名:関東自動車(栃木)

仕様・用途:都市間長距離夜行高速路線仕様(高速「とちの木」号仕様)

登録番号:宇都宮200 か 1118

配属:梁瀬営業所

初年度登録:2010年式

シャシーメーカー:三菱ふそうトラック・バス

エンジン型式:三菱6M70T4型

ボディ架装:三菱ふそうバス製造

車両型式:BKG-MU66JS

車名:三菱ふそうエアロキング

撮影日:2014年8月26日(火曜日)

撮影場所:大阪・あべの橋バスターミナル

栃木県宇都宮市に本社を構える関東自動車は、地元では 「関東バス」 と呼ばれて親しまれていますが、東京にも 「関東バス」 があって混同しちゃうこともしばしば。だから 「こないだ、関東バスの○○を見たよ」 という情報を得た時には必ず 「関東バスって、東京の? 栃木の?」 と聞くようにしています。もっとも、今は東京も栃木も関東バスに関しては、琴線に触れる車はあまり無いようです。
ここで取り上げる関東バスは基本的には栃木の関東自動車になりますので、間違えないと思いますが、お間違いのないように。

宇都宮・鹿沼・栃木・久喜-京都・大阪間を結ぶ 「とちの木」 号は、関東バス唯一の夜行便になります。運行開始は1995年で、当時はスーパーハイデッカーを充当していました。 「何で栃木と大阪なの?」 という疑念の声も聞かれそうですが、栃木県内にはパナソニックや関西ペイントなど大阪で産声を上げた企業の支店が栃木県に進出している関係で、本社の社員が支社に出向くことも多いのですが、栃木県内には空港もなく、 「よかっぺ関西」 号や 「シルクライナー」 といった北関東と関西を結ぶ夜行高速路線バスがありませんでした。よって新幹線が唯一の移動手段となるのですが、東京駅で乗り継がなければ辿り着けない不便さがありました。
1990年代初め、当時の近畿日本鉄道は、仙台行きの 「フォレスト」 号や福島行きの 「ギャラクシー」 号といった関西と南東北を結ぶ夜行高速路線バスを走らせており、一定の成果を得ていました。そこで、関西系企業の支店が多い栃木県と関西圏を結ぶ夜行便も設定するべく、県内最大のバス事業者である関東バスと接触。関東バスも宇都宮-羽田空港間の 「マロニエ」 号を足がかりに高速路線バスをさらに発展させたいという思いがあり、両社の思惑が一致して、 「とちの木」 号の運行となったのです。

前述のように、運行開始当初は両社ともスーパーハイデッカーでしたが、1998年には近鉄が二階建てバスを導入しました。これは予想以上に需要があったためで、エアロキング導入前は予備車で対応していました。翌年には関東バスも二階建てを導入しまして、2002年には小山・下館・真岡便も運行されるようになりました (真岡便は2006年に休止) 。

関東バスで三菱は少数派ですが、高速車としてはこのエアロキングが唯一の存在になります。1118号車は、2010年に増備車として導入され、それまでは1台しか無かったから、隔日運行となっていました。この1118号車の導入によって毎日二階建てによる運行が可能となりましたが、1台が1999年式のKC-MU612TAなので、そろそろ置き換えの声が上がるんじゃないでしょうか。

東京でも普通に見られる栃木の関東バスですが、この夜行高速仕様となると話は別。深夜に東京を通過してしまうので、基本的には東京では見られないことになります。大阪・あべの橋での撮影は、 「 “とちの木” のエアロキングが来ないかな・・」 と期待しただけに、撮れた時は嬉しかったですね。


【参考文献】
バスラマインターナショナル No.122
BUSRAMA EXPRESS No.11 「The King -エアロキングの四半世紀-」
(いずれもぽると出版社 刊)