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事業者名:両備バス(岡山)

仕様・用途:一般路線仕様

愛称:SOLARVE

登録番号:岡山200 か 1024

社番:1006号車

配属:西大寺営業所

初年度登録:2010年式

シャシーメーカー:三菱ふそうトラック・バス

エンジン型式:三菱4M50型

ボディ架装:三菱ふそうバス製造

ボディ改造;大阪車輌工業

車両型式:BJG-MP37TM改

車名:三菱ふそうエアロスター・エコハイブリッド

撮影日:2014年8月21日(木曜日)

撮影場所:岡山駅東口

「今日の1枚」 も今回で399回目。次回は400回という節目の回になります。それまで撮っておきながら、なかなかお届けすることが出来なかったスペシャリティなバスをまとめてドォ~ンと大放出していますが、399回目は昨年夏、これ撮りたさに岡山まで行ったようなものというバスを取り上げます。

両備バスでは、2010年の創立100周年記念した事業の一環で、 「過去の100年」 と 「未来の100年」 をイメージするバスを導入しました。一つは両備バスの源流である西大寺鉄道 (1912~1962) の軽便気動車を模した 「さいバス」 、そしてもう1台が今回お届けする 「SOLARVE (ソラビ) 」 であります。

「安心・安全・エコ」 「21世紀を代表するデザイン」 「子供が思わず駆け寄ってくるような、夢のあるバス」 をコンセプトに、約1年間の開発期間を経て完成した未来型バス 「SOLARVE」 は、 「SOLAR」 + 「VEHICLE」 の略で、文字通り、屋根上に装備された太陽電池が大きな特徴となっています。これは路線バスとしては初めてのことで (2010年現在) 、この太陽発電で作られた電気は、室内に10基取り付けられているLED室内灯の電力に使用されます。
外観も白ですが、室内も白一色でこれも世界初なんだとか (2010年現在) 。この室内は撮れませんでしたが、バスの室内とは思えない清楚な空間が展開されます。また、座席は革張り (合皮ですが) でソファーっぽいのが特徴。床はデンマーク産のホワイトシカモアという木材を使用し、表面の保護には健康面や環境面に配慮して、ヨーロッパで古くから使われている石鹸を保護塗料とした 「ソープ塗装」 を採用しています。また、室内を清潔な空気を保つため、 「除菌電解ミスト」 方式を用いた空気清浄機も完備して、移動時間も快適に過ごせるような工夫がなされています。

安全面では車体の前後、両サイドにカメラを4台設置し、車両周辺の映像を高速処理。車両周辺を立体的に合成した映像と3次元CGで作成した車両の画像を表現する 「マルチアングルビジョン」 を設置しています。これも世界初のアイテムだそうです。

車こそ三菱ふそうのエアロスター・エコハイブリッドをベースにしていますが、室内デザインは、JR九州のセンスのない鉄道車両を手がけているデザイナーが担当。太陽電池は三洋電機製、 「マルチアングルビジョン」 は富士通テン社製、床下は皇室御用達の家具メーカー、ヒノキ工芸が手がけ、改装費を含めた 「SOLARVE」 1台のお値段は79,000,000円也。確か、岐阜の東海特殊観光が所有しているエアロクィーン・MWが80,000,000円ということなので (1989年当時の為替レート) 、時代の差こそあれ、かなりの金額になるというのはお解りいただけるのかなって思います。

この 「SOLARVE」 、西大寺営業所に1台だけ配備されて (そりゃそうだ) 、ダイヤ改正等で運行の変更が無ければ、岡山駅東口と西大寺間の便に使用されています。
この時、岡山に降り立つのは初めてだったので、東口や西口に繰り出してあれこれバスを撮っていましたが、慣れない靴を履いていたものだから、足が痛くなりました。水ぶくれは無かったと記憶していますが、さらに折りからの暑さで体調は最悪の状況。それでも岡山駅東口のバス案内所 (?) に行って 「 “SOLARVE” は何時頃来ますか?」 と聞いたところ、案内所のおばちゃんは 「 “ソラビ” ・・・?」 と怪訝そうな顔。どうも、そこは両備バスの案内所ではなかったみたいで、 「SOLARVE」 と言われても分からない様子。結局、そこで有力な手掛かりを摑むことは出来ませんでした。まぁ、時間的な制限は特に無かったので (神戸のコンサート開演時間に間に合えばいい) 、 「SOLARVE」 が来るまで待っていれば良いかとひたすら待つ覚悟を決めたのですが、思いの外早く来てくれたので、それはそれで良かったなと思いましたし、別の意味でホッともしました。ただこの時、 (岡山駅に) 到着後すぐに行っちゃったので、1台だけということもあったので、まさにワンチャンスでした。大阪駅でJR九州のエアロキングを撮った時のことを思い出しました。

三重交通の 「神都バス」 といい、今回の 「SOLARVE」 といい、さらには武元重機 (みらい観光) のグランビューといい、近鉄バスの 「OSAKA SKY VISTA」 といい、昨年夏の関西1週間旅行は、主たる目的 (コンサート) もそうですが、バス的にも大きな収穫を得まして、ホントに充実した旅でした。

さぁ、次回はいよいよ400回目 (400台目) になります。過去100回目、200回目、300回目と三菱のMUを取り上げましたが、今回もMUになるのでしょうか・・・? 一応、何を取り上げるかは決めているんですけどね・・・。


【参考文献】
バスラマインターナショナル No.122
年鑑バスラマ 2009→2010 (いずれもぽると出版社 刊)
両備ホールディングスオフィシャルホームページ