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今でこそ 「大和路快速」 という名が浸透している関西本線から大阪環状線へ直通する快速電車。関西本線だけでなく、阪和線からの列車も乗り入れて来ており、大阪環状線は百花繚乱の賑わいを見せています。しかし国鉄時代は、大阪環状線へ乗り入れるのはこの113系だけであり、阪和線は特急も含めて全列車が天王寺止まりで、ウグイス色の関西線通勤電車は今宮から湊町 (→JR難波) に行くだけでした。
 
関西本線湊町-奈良間が電化されたのは昭和48年ですが、同年10月改正より電車による運転を開始しました。
電化に合わせて、首都圏 (横須賀線) から113系を転入させて快速用に充当、普通用の101系は大阪環状線からの転用です。転入にあたっては、当時、東海道・山陽本線や阪和線で走っていた新快速の色を踏襲することになり、新快速色と同じ灰色 (灰色9号) をベースにしつつも、帯の色を春日大社の柱をイメージして朱色 (朱色3号) に変更、関西本線のイメージアップに大きく貢献しました。
 
大阪環状線への乗り入れは、当初は休日のみでしたが、昭和49年からは平日にも拡大されて、113系が大阪駅に乗り入れるのが日常的になりました。なお、当初の関西本線の電車は鳳電車区 (天オト後に移転して日根野電車区となる) に所属していたため、阪和線の車両にも充てられることがありました。時には同じ灰色ながら、青帯と朱帯の混色編成も見られました。
なお、昭和59年に奈良電車区 (天ナラ→現在のJR西日本吹田総合車両所奈良支所) の開設に伴って、関西線に充当される車両は全て奈良に転属となっています。
朱帯の113系が大阪環状線に乗り入れるのは、基本的には221系による 「大和路快速」 が運行される平成元年まで続き、桜井線や和歌山線などで運用に就いていた車両も平成6年までに置き変わっています。
 
画像をよく見ると、朱帯の113系の中では貴重と言える2000番代であることが判ります。
関西線に1本、阪和線に2本新製投入された2000番代は、同線で唯一の新製冷房車ということでコアなヲタ達から注目を集めていました。関西線にしても阪和線にしても冷房車は改造車ばかりでしたからね。
 
221系や223系、そして225系が目立つ大阪環状線直通の快速電車ですが、 「そういえば、こんな色の電車、走っとったね・・」 と思い出して下さい。
 
【画像提供】
岩堀春夫先生
【参考文献】
鉄道ピクトリアル No.803
キャンブックス 「111・113系物語」 「国鉄・JR関西圏近郊電車発達史」 (いずれもJTBパブリッシング社 刊)
ウィキペディア (国鉄113系電車)